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帳票(Excel⇒BI)レイアウト進化の歴史

みなさんこんにちは。久しぶりの投稿です。
今回は、約3年がかりで行った基幹システムリプレイスの中でも、「システム出力帳票」について過去の歴史を振り返りつつ、まとめてみました。

これからシステムリプレイスや、BIツールを使ってのダッシュボード構築などを手掛ける、情シス担当やツール推進担当の方など是非ご覧ください。


帳票出力システムの変遷

まず、古い帳票出力システムのWindows7サポート切れによりクローズされBIツール(MotionBoard)に移管されることになりました。対象システムにはもともと100種類以上の帳票がありました。
当時私は利用部門側の統括部門所属で、IT部門からのヒアリングについて業務要件を回答する側です。皆さん経験があると思うんですが、利用者側は変化や新しいものを嫌うので、この時の私も「この帳票とあの帳票は、そっくりそのままリプレイスしてくれ!」と意味の無い現行踏襲要望をIT部門に好きにぶつけまくりました。
(要件定義工程完了と同時に、私はIT部門に異動となり、上記の要件に基づいて自分で作ることになりますが、それはまた別の機会にお話しします)


旧システムExcel帳票サンプル抜粋(値はダミー)

BIツール(Motionboard)移管では、自分で要求した「現行踏襲」での構築を行うことになります。上記のサンプルの通り、昔ながらのA4用紙に指標を無理やり詰め込んだExcelレイアウトを、無理やりBIツールで再現するわけです。100種類を超えていた帳票も約30種類を残して、残りは破棄しました。

Motionboard画面設計資料抜粋

異動したてで右も左もわからない状況でしたが、とりあえずリプレイスは何とか終了。思ったよりも、稼働後の問い合わせも少なく、無事に終了したかな?と思っていたんですが、実際はそんなに甘くありませんでした。

問合せが無いのは「使われてない」から

Motionboardは、各ダッシュボードのPV数を確認するすることができるのですが、初めて月間PV数を確認したときに愕然とします。
弊社ではMotionboardの指名ユーザーは約3,000名いるのですが、PV数は多いボードでも月間200PV前後でした。
弊社には約200の営業店舗があるのですが、PVが多いボードで月間200ということは、単純計算で1営業所で月に一人見るか見ないかということです。

なぜ使われない?

本来は、リプレイスの際にきちんとやっておくべきなのですが、要件ヒアリング時点では実ユーザーの利用実態調査をきちんとしませんでした。
統括部門としては、「この帳票は〇〇業務につかうはず」という前提で現行踏襲を依頼していますが、既にこの時点で前提が大きく間違えていたようです。
ただ、この時点で気づいても時すでに遅しです。BIの導入にもかなりの金額がかかっていましたし、そう簡単に作り直すということはできません。「いつか機会があれば絶対に作り直す」と心に秘めつつ数年その時を待つことになります。

チャンス到来

数年後待ちに待ったチャンスが到来します。
Motionboardがデータをもらっている上流の基幹システムがリプレイスすることになり、コード体系の変更等もあるためMotionboardも何らかの対応をする必要があります。
過去、別のnoteでも書いていますが、この時の選択肢は二つありました。

  1. 必要最低限の対応だけ行う

  2. 全面刷新する

過去記事でも書いた通り、今回のリプレイスでは「全面刷新」を選択することになります。

現行ダッシュボードの課題をまとめる

前回の反省をもとに、今回はきちんと現行ダッシュボードの課題抽出を行いました。
①各会議体での定期作成帳票の収集
②営業所単位での独自帳票収集
③ヒアリング(本部スタッフ、管理職、各庶務)

①~③の結果から、主な課題は以下の4点でした。

  1. 特定の指標を確認したいが、帳票が多すぎてどの帳票で確認できるかわからない。

  2. 各所の独自帳票はレイアウトは違うが、利用されている指標は概ね共有
    現場営業所とエリアマネージャー、本部スタッフなど、人や立場が違えば見たいレイアウトが異なる

  3. Excelなどの出力ができない

  4. システム操作手順が複雑で面倒

各課題への対応方針

抽出された各課題については、以下の様に対応する方針としました。

対応方針

1)の課題については、約30種あったボードを統廃合して5種類まで削減。
TOPページにボードキャプチャとボードの説明を記載してわかりやすくしました。

新Topページ
新Topページ(詳細クリック後)

2)については、同じ指標を用いて複数のレイアウトを用意して対応することにしました。

レイアウトパターンと利用想定

これによって出来上がったボードデザインは以下のイメージになりました。

①当月&期累計(単一組織)イメージ ※表示内容はダミーデータ
②当月&期累計(同階層)イメージ ※表示内容はダミーデータ
③過去推移(単一組織)イメージ ※表示内容はダミーデータ

イメージはこんな感じです。

3)Excelなどの出力ができないについては、Motionboardを導入したころ、ちょうど世の中が「ペーパーレス」とか流行っていた時期で、設計まではExcel出力があったんですが、経営層のツルの一声でいきなり機能カットになりました。
時代が進み、ファイル出力≠印刷といういうことは既に周知の事実なので、今回の再構築では、全てのボードにファイル出力機能をつけました。

4)のシステム操作手順が複雑で面倒については、これまた長くなるので、別の記事にしたいと思います。

ここまでまとめ

大分長くなってしまったので、とりあえず今日はここまでです。
やっぱり何をするでも、きちんと利用者の求めるものを把握する努力は怠ってはいけないなというのがまとめになります(雑)。

次の4)への対応(Datalizerとかdejirenとかね)もお楽しみに


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