向日葵と小夜曲
薫「どうしたの?だいじょうぶー?ずっとベンチにすわって、おなかでもいたいのー?」
雪美「……!…………………………だいじょうぶ……」
薫「……ほんとー?むりしてないー?こうえん、つまらない?」
雪美「たのしい!……………見てるだけ、だけど…………」
薫「よかったー!」
薫「ねーねー、いっしょにお山作ろうよ!」
雪美「……!!…………あっ…………服…………汚れる………………ママ、きっと悲しむ…………」
薫「そっかーーーーーーーーー」
大きく項垂れ肩を落とす薫。季節は初夏だった。
雪美「………………!!」
フリルブラウスのボタンを外し肌着姿になる雪美。
相対する薫としても抵抗がない行動―――――の筈だった。
薫「わっ!!!」
雪美「!!!!!」
なんか、声が出てしまったし、声を飲み込んでしまった。
目を丸くし、ほどなくして見つめ合ってる事に気付き、顔を紅潮させる二人。
理解は到底追い付かないが、原因となった行動の推測は容易かった。
雪美は顔から背き、さっき脱いだばかりのフリルブラウスをもう着用し出した。
薫もまた、背けた。
雪美「…………じゃ、じゃあね……」
薫「う、うん」
背中合わせのままの別れの挨拶。季節は初夏だった。