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73「青い青い空の下でつかまえて」とtwst

ティーンズハート「つかまえてシリーズ」の感想をだらだらと綴ります。
後半、全然関係ないtwstのことも書いています。


 最近、桜崎探偵事務所のご町内で、ふしぎなことが起こっているらしい。
 心あたりのないプレゼントが、町内のあちこちの家に、ひと月以上にもわたって、届けられているというの。
 あたし、工藤由香。心配した町会長さんの依頼を受けて、謎の送り主を捜すことになったあたしたち。ところが、調査を始めたとたん、町内に死者が……!
 果たして、恨みの犯行か?無差別殺人か?
 
秋野ひとみ「青い青い空の下でつかまえて」2002年

今回初めて読ました。
圭二郎さんへの拒絶反応がちょっとでました。
でもまあ、ほんとちょっとだけ。
由香のことを、ちゃん付けではなく呼び捨てにするシーン。
圭二郎さんは悪くないんだけど、ぞっとした。
これはなに?
もしかして、僻み??

そんなことよりも、律泉さんを見送ったあとのサキと菊地薫のやりとりが不可解。
そんなの所詮は綺麗事では?と、思わずにはいられない。
というか、内容はこの際どうでもいいけど、菊地薫に「綺麗事」を言ってほしくないっていう身勝手な願望。

事件は、普通でした。
登場人物の人数もちょうどよく、普通にテンポよく楽しく読める感じ。
ただ、推理は完全に由香任せで、その他大勢は由香という名探偵のために動く駒、みたいな構図になっているような気がして、ちょっと残念だったな。

あとがきのオマケの小林クンのお話も、敦子ちゃんとの会話が、こっちが恥ずかしくなるくらい瑞々しくってさ。
だって、小林クンの一人称が「僕」なんだもん。なんか恥ずかしくなるでしょ。


以下、にわかの戯言。
twstです。オチも脈絡もないです。
(5章途中までの感想です)

はあ〜
すからびあ〜

刺客ってそんなにいるの?怖!って思ってたら、学園には一度も来たことないって。そりゃそうだよね。よかったよ。心の底から安心したよ。

正直わたしは、主従に憧れてるとこはある。もう大好物。
でも、そんなフィルターとっぱらったとしても、4章のあれは主従をこじらせたというか、育児ノイローゼでは?

いろんなものから解放されて、自由な学園生活送ろうと思ってたのに、カリムが裏口入学(?)してきたことで、たったひとりで「従者」やらなきゃいけなくなったジャミルの気持ちを慮ると、不憫を通り越して、いじらしくすら感じるよ。

カリムは、なんなんだろうね。
自分が編入してきたことで、ジャミルの自由を奪ったなんて微塵も思わなかっただろうし、むしろ地元から離れたところで、のびのび対等に仲良くやろーぜ、くらいの気持ちだったのかな。
いや、なにも考えてないのかな。
なにも考えてないと見せかけて、闇深いなにかを抱えているのか?
なんにせよ、彼の自己認識はいったいどうなってるの??(混乱)
子育て間違ってるんじゃないのか、ジャミル!
本人のやる気とか悔しさまで摘む必要はないって気付いたよね。5章で。きっと。
カリムはカリムで、無欲というか、自分を含めた全てに対してあまりにも無頓着過ぎたことを自覚したかな。していて欲しい。
そして、毒とか気にしないで楽しく食べたいっていうなら、メシは自分で作れ。

正直、4章終了直後は二人の関係を重くとらえていいのか、案外ポップなものなのか分からなくて、しばらく呆然とした。
んで、カリムに謎が多い分、ジャミルはわりと健全な少年じゃん、とも思った。
刺客とか毒とか不穏な単語を引っさげた二人なので重くとらえようと思えばいくらでも重くなるけど、4章後のジャミルの様子を見ると、べつにカリムに死んでほしいとか、消えてほしいとか、そういうことではないんだなと。(ストーリー的にもそんな物騒なわけないよね)
学園に刺客も来たことないらしいしさ。そうすると、ジャミルの隙の無さが、かえって可愛らしいものに映る。

なんにも考えないで「一番」をとりにいきたい。だけど「優秀」な従者だから、それはしない。
そんなふうに、仕事と割り切ることで、優秀な自分を全うしつつも、矛盾を抱えたジャミルと、アジーム家の長男、カリム・アルアジームであることが仕事みたいなカリム。
ジャミルは、カリムの自己認識を。
カリムは、ジャミルの承認欲求を。
それぞれ歪にしているのかな。
はー、つづきが待ち遠しい。

なんにせよ、ジャミル最高。好き。推せる。
しかしジャミル夢女になると、もれなく唯一にして最大の壁・カリムが出現して、到底敵わないので夢女にはなれないっていうジレンマ。
もう狙うは、いつかジャミルの肩にとまるであろうオウムのポジションしかないよ。

こんなに有能アピールしたんだから、今後は手を抜かないで生活するのかしらね。
是非、試験で学年1位とか取って、リドルとアズールを驚かせて欲しい。いや、アズールは驚かないか。
でも、一番になりたいと言っていたわりに、1位取ったとこで、1位気持ちいい〜サイコ〜って悦に入るジャミルは想像できないんだよね。
淡々と次のこと考えていそう。いや、考えていて欲しい。
もっと効率的な試験対策の方法でもいいし、夕飯の献立でもいい。
そして1位すごいねって誰かに声を掛けられたとき、ふと我に返って、困ったように笑う彼が見たいよ。


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