デザイナーに上手にお願いする方法Vol.6〜機能与件の整理〜
デザインの与件と同時に進めなければいけないのは機能与件です。
機能与件とは?
機能与件というのは、
例えば住宅の設計デザインであれば、
子供部屋6畳が2部屋〜
リビングが12畳以上で〜
床暖房が欲しくて〜
という具体的に欲しい機能の与件の事です。
グラフィックであれば、それが何を一番伝えるグラフィックなのか?
とか入れないといけない細かい注釈は何かとか。
言語化しやすく具体的にまとめやすい部分です。
なので、シンプルに自分の希望をきちんと、まず纏めていく事が良いです。
まとめた次に優先順位を考える。
単純にまとめた末にぶち当たるのが
それ全てを入れたデザインは、小さくまとまってしまい面白く無いという事です。
全てをそつなく入れ込むのも一つのデザインの高みだと思いますが、
中でも重要な部分を際立たせながら、他をまとめあげていくのが
デザイナーにお願いすべきデザインなのではと個人的には思っています。
実際に子供部屋を6畳取って、リビングが理想より小さくなったらどうしますか?
その答えに依頼側の思いとかコダワリみたいなものがあると思います。
自分がまとめた機能をよくながめて、どれが一番重要視しているか
決めてみましょう。
デザイナーを刺激する抽象化した機能与件とは?
ここまでは、普通に機能の与件をまとめる手順です。
少しデザインに触れてきた方や、企業の方はこの手順を踏んでいるかと思います。
この先に、デザイナーさんから面白いアイデアを引き出すには、
少し違ったアプローチをとると自分の想像を超えたアウトプットを見る事が
出来るかもしれません。
例えば、住宅が分かりやすいので例にとると
・12畳のリビングと6畳の寝室が欲しいです。あと音楽がすごく好きで良く聞いてます。
という依頼をしたとします。そうすると普通のデザイナーさんは2部屋を置いて、
リビングにスピーカーを置くでしょう。
それがクライアントからの依頼なので、なかなか変えにくいのです。
ところがその依頼を少し変えると
・すごく音楽が好きです、朝から夜まで良質な音楽に触れる家が欲しいです。
という依頼に変えたらどうでしょう?
デザイナーとしては、音楽を聴く体験に特化した家を作る事に脳みそを切り替えるはずです。
そしたら部屋を区切らずに大きな音響システムを入れて、
朝も夜も質の高い音楽体験を得られる様な場所を考えてくれるかもしれません。
この様に、機能を少し抽象化させる事で、デザイナーにとって一番取っ掛かりやすい「体験」に繋げる事ができて、
依頼側のイメージを超えるデザインを提案してもらう可能性が高まります。
この抽象化した機能の打ち出すことを意識して、機能与件を見つめ直すと
自分の想像を超えたデザインに出会うことができるかもしれません。
デザイナーさんとの勝負を楽しむ
私もプロデューサーとして様々なデザイナーさんに依頼してきています。
良いデザインを引き出すことが私の勝負ですし、良いアイデアを出すことがデザイナーさんの勝負です。
お互いを刺激し合い、デザインを作り上げていくために、
この機能余件をまとめる事を重要視して日々仕事をしております。
皆様も少しアプローチを変えて、良いデザインが導き出せる事を実感して欲しいなと思います。
はまも
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