遺体のとり間違いについて思うこと
皆さまこんにちは。浜松葬儀【公式】ブログ担当のスピースです。
前回のブログでは、ブログ新設に際し、ご挨拶がてら弊社の歴史と簡単なお葬式の歴史について書いてみました。
お葬式というデリケートな内容ですので、オープンなネット環境内で開示できることは限られてまいりますが、できる限り興味を持っていただける内容にしていこうと考えていますので、お付き合いをよろしくお願いいたします。
今回は「遺体のとり間違い」について思うことは書いてみたいと思います。
「遺体のとり間違い」とは
葬儀業界がニュースで取り沙汰されることは極まれです。しかし、時々報道に出てくるのが、この「遺体のとり間違い」です。
つい最近も、ありましたね。
同業として、立場もあると思いますのでネタ元は提示いたしませんが、興味のある方がググってみてください。
様々なパターンが考えられますが、ご遺体Aとご遺体Bがあって、ご遺体AはY家の故人様。
ご遺体BはZ家の故人様。
しかし、Y家のお葬式で、ご遺体Aではなくご遺体Bで葬儀施行もしくは火葬をしてしまった。。。こんな感じでしょうか。
弊社の取り扱いで発生した事例がないので詳細は解りかねますが、きっとそうでしょうね。
どうしてこんなことが起きるのか?
被害に遭われたお宅はもちろん、報道を目にした方々も真っ先に「なんで??」「どうして?」と思うでしょう。
弊社スタッフも同様の感想を持ちました。
この事例が発生する要素として、前回のブログでも書いた葬儀の式場化が大きく影響していると思います。その故人様のご自宅(もしくは、ご親族のご自宅)で施行していれば、他人の遺体が介入することは不可能ですよね。
しかし、式場化によって、同一の建物の中に複数のご遺体が存在することになってしまうのです。葬儀場なわけですからそうなりますよね。
もっと具体的に考察してみる
スピースさん、そうは言っても葬儀会社というプロが運営しているのにおかしいではないか?とお思いの方いらっしゃいませんか?
ですよね、葬儀費用(施行対価)をいただく以上、些細なミスも許されるものではありません。そこで、同業社である私が考察してみます。
発生原因①スタッフの引継ぎミス
葬儀会社には多くのスタッフが勤務しております。弊社にも30名ほどの 葬祭ディレクターが在籍しています。
休暇などの都合で1件のお葬式で複数のスタッフが関わる場合があります。
たとえば昨日の打合せはスタッフA
本日通夜はスタッフB
明日の本葬はスタッフCというような。
同業社なら、「どうしてもそういう時あるんですよ・・・」と思うでしょう。
しかし、スタッフが変われば、ご遺体は元よりご親族様に対しても初対面からスタートすることになり、引継ぎ不足や勘違いから手違いが起こることも十分考えられますよね。
発生原因②ご遺体の保冷庫型安置室(保管)の間違い
例えば、写真のような保冷庫型安置室A、安置室B、安置室Cなどと区画ごとに分けてある場合。こんなケースでも、間違いが発生しやすいかと推察いたします。
引継ぎで区画Aと聞いていたが、うっかり区画Cのご遺体でお葬式を施行してしまった。。。
もしくは、保冷庫1のご遺体と聞いていたが保冷庫11のご遺体で施行してしまった。。。
人為的なミスとも連動いたしますが、十分考えられますね。
発生原因③一つの場所で複数の遺体を安置(保管)してある
一つの場所、同じ部屋の中で複数のご遺体を安置してあるケース。
これ、実はあるようです。ってか、あるんです!
最初に断っておきますが、弊社(浜松葬儀)にはありません!!
要は、遺体の安置所のスペース削減や省人力化、コスト削減など理由は様々でしょうが、弊社が所在する地域(どことは言いません)にもあります。
なぜ、知ってるの??
だって、そういう葬儀会社にご遺体の引き取りに行ったことあるからです。
担当したスタッフは唖然とし、感想を話してくれましたが、まさか同じ地域にもあるんだな~私も変な感想を持ちました。
この状態では、取り違える可能性大ですよね!個室ならともかく、同じ空間に全く他人のご遺体が複数あれば、間違いが発生する可能性MAXですね。
紙を貼って故人様の氏名を識別してたのに、はがれて判らなくなっていた。。。とか
そもそも、なんで取り間違える環境に移行していったか?
最後に来る思考はこれですよね。プロであるお葬式の運営会社が、もっとも犯してはならない失敗を発生する可能性を秘めるような状態になっていったか。。。。
もちろん、各会社によって様々な要因はあると思います。
しかし、各社共通して言えることは、過度なコストダウンと人手不足だと思います。
コストとは、TPO全てに介在します。一番大きいコストは人件費。次に空間(土地や建物)、その次に時間(スタッフの拘束時間)でしょう。
ここからが、わたくしスピースが一番申し上げたいことですが、そこまでコストダウンしたくなる原因が「格安葬儀プラン」による、超低価格訴求合戦です。
どんな会社でも、最低限必要なコストはかかります。過剰な低価格訴求は売り上げや利益を減少させ、運営費用の圧迫になります。すると、会社は削れるとことから削る、これ当たり前ですよね。
今どき1リッター50円のガソリンなんてないですよね?
一杯50円の牛丼チェーン店なんてないですよね?
そういうことなんです。
今では、遺体は預かるだけ、付き添いや顔を見ることは別料金。出棺当日にはいどうぞ。っていうプランもあるようで、うっかり依頼してしまったご遺族様は後悔するケースがあることも聞こえてまいります。
次に人材不足。
コロナ禍を経て葬祭業のみならず、サービス業全体で巻き起こっている人材不足。
確かに、コロナ禍では、そういう業界で、リストラや給料の減少などスタッフさんたちは苦境に立たされたことでしょう。
もう、そんな業界はマッピラ・・・と考えるかもしれません。
これ以外にも働き方改革など様々な要因で、葬儀業界はスタッフ不足が顕著になっております。
スタッフがいなければ、現場は動かない葬祭業ですから、少しでも手間を省くために施行のやり方自体を大きく変更した葬儀会社も多いことでしょう。
では、浜松葬儀ではどうなんですか??
と、様々な考察を行ってまいりましたが、開示できるエビデンスはありません(笑)し、エビデンスを追求するつもりもありません。
「じゃぁ、スピースさん、浜葬は大丈夫なのかよ!?」
って、お感じの読者もおられるでしょう。
答えは
「安心してください、浜葬ではありえませんよ」(某芸人風)
大丈夫な理由その1
弊社でお預かりする故人様(ご遺体)は、各会館で1室1件でご利用いただく為、間違うことはありません。
各会場1~5件と扱える件数は決まっておりますので、キャパ以上のことは致しません。キャパを超える場合は、代替えの会館をご提案し、ニーズを合わせる方法をとっています。
大丈夫な理由その2
弊社では、特別なケース(例えばご夫婦同時に亡くなったとか)以外は、一部屋にご遺体はお一人です。
また、保冷庫型などの安置専用の部屋としているのではなく、1件で使用する葬儀場+安置室+控室とセットでのご提供になりますので、ほかのお宅と混同することもありません。
大丈夫な理由その3
弊社は、よほどの状況でない限り1葬儀1担当者制度をとっています。したがって、ご親族様をはじめ故人様のお顔は間違うことはありません。
また、担当者自身が、故人様への死に化粧や白装束へのお着替えをお手伝いするので、間違いようなないのです。
大丈夫な理由補足
弊社は、前段でお話しした極限までTPOを削ったお葬式プランはありません。お葬式本来の意味をなくしてしまうようなプランはありません。
もっともシンプルなプランでも、ご親族は故人様に付き添うことが可能で、死に化粧や白装束へのお着替えは実施しています。家族もスタッフも故人様に向き合う時間が多いので、間違いようはありません。
まとめ
工業製品でしたら判りやすいし、思った性能を発揮しなくても交換すればいいか・・・と思える品質のバラツキ。
コストダウンや製造工程の簡略化もカバーできてしまいます。
しかし、お葬式は1回こっきりです。故人様も火葬してしまえば修復は不可能です。
だからなんです
目先の価格だけで判断しては、取り返しのつかない後悔を生むことになります。いろいろな事例も、会社運営に無理が来ている証拠として発症しているということを考えると、よーく考えてご依頼してほしいものです。
今回も長くなりましたが、この辺にしたいと思います
ブログ担当スピースでした