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風とカメラとぷかぷかと。−第5回−

風とカメラとぷかぷかと。
  ─NPO法人ぷかぷかで生きる人たちとの交流記─

ー第5回ー 

2019/09/24 「広がる世界」

もうじき9月も終わるというのにまだまだ暑いのよ。

午前中で仕事を済ませ、二週間ぶりのぷかぷかへ向かう。
なんだかぷかぷかに行くのが楽しみになってる自分がいますね、はい。

「いらっしゃいませー!」
安定のいらっしゃいまセンサーが嬉しい。

しかも紛れて「あーっ!」の声。
いつもパンを袋に詰めてくれる彼が僕を見つけて笑いながら声をあげてくれた。
嬉しい嬉しい嬉しい。

記憶の中に風が吹く。

前々回だったかな?
「帰りの会」に参加したときに「覚えていてもらえて嬉しかったです」と
話している女性がいたがこういうことだよね。
ありがとう。
嬉しいよ、本当に。

声をあげてくれた彼が近くに来てくれた。
「なに?」
自分から来ておいて「なに?」もないだろうと思うがこれは彼の口癖のようなもの。
今日はお昼を食べてないから惣菜パンにするね、と言いつつ自分で探す。
すると黙ってササッと離れていってしまった。
お?
なにか悪いこと言ったかな?
この前みたいにオススメを聞くべきだったか?
次回は彼に決めてもらおう。

パンを2つ決めてレジに持って行く。
今日も絶好調、計算お兄さん。
そういやこの間、計算お兄さんを駅で見かけたんだよな。
一人で電車に乗ってるのかな。
結構ブツブツつぶやく系の人だから電車で冷たくされてないといいけど、
などといらぬ心配をしてしまう。
もし彼のことを全く知らない頃の僕が電車に乗り合わせたらどうしたかな?
「おいおい、なんかしゃべってるよ」って警戒してたかも。でも今なら少なくとも彼に対してはなんとも思わないだろう。
だって僕は知っているんだもの。
彼は呼吸をするようにつぶやいて、たまに節をつけてフンフン言ってるだけだって。
なにも怖くない。なにも不思議じゃない。
暗算が得意なことだって僕は知っているんだ。
知るってこういうことなんだよな、と一人で納得。
怖がらずに、嫌がらずに彼らのことを知ろうと思ってよかったな。

余談だけど、このごろ銀座なんかでストリートスナップを撮っているときに、迷っている外国人観光客にこちらから声をかけられるようになってきた。(英語はほぼできないのに!)
しゃべれなくてもジェスチャーやスマホを駆使して道案内ができて喜んでくれたときは単純に嬉しいよね。
以前の僕からは考えられないことなんだよな。
これって間違いなく「ぷかぷか効果」だなって思ってる。他人にたいして変に構えなくなってきているというのかな。もちろん障がい者に対してはなんの知識もないからそのへんで無闇に話しかけるなんてことはしないけど、電車に乗り合わせたときなんかは困ってないか気にしてる自分がいる。
決して偉そうに手助けしてやろうとかではなくて、
これって自分のためでもあるというか・・・。
自分を含め、あらゆる人間が暮らしやすい環境をつくるのって誰かがやってくれることじゃないんだよね、って感じ。
自分が動かなきゃいけないんだなぁ、ってぷかぷかやぷかぷかさんたちに教えられた気がする。
共生ってこういうこと?
まぁこの歳まであまりそういうことを考えなかったってほうが恥ずかしいことなのかもしれないけどね。

かなり逸れましたが話をもどします。

さてパンを買いドリンクもということで
今日はみかんジュースをチョイス。

テラス席でPCをひろげようとしたところへ理事長さん登場。
なかなか「ぷかぷかオープンテラスでPC作業をする」という野望を果たせない。
見学にいらしてたひきこもりの人を支援するNPO法人の社会福祉士の方も同席。
こちらの方とも名刺交換。
ぷかぷかにはいろんな人が集まる。
やはり魅力的な場所なんだよね。

最初に訪れたときに撮らせてもらったポートレートをプリントしてきたので渡す。
思いのほか喜びつつ褒めてくれた。
アートイベント本番に向けて自信が湧く。
我ながら単純。
モデルになってくれた女の子も見にきてくれて喜んでくれた。
それがなによりも嬉しいね。

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施設長さんもやってきてテラス席が賑やかに。
そしてなんと写真のお仕事を依頼される。
いいんですか?
いいんですか?
本当にいいんですかっ?

なんか楽しくなってきたなー。
世界が広がっていくのを肌で感じる。

ぷかぷかには今日もこんな感じの風が吹いておりましたよ。
いいでしょ?

続く。


ー本日のパンとカードー
日替わりサンドとアールグレイのメロンパンとみかんジュース

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お掃除も一生懸命。

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