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やらかして気づく、人の優しさ。

わたしはお酒の場が好きだ。お酒は強くないし、一人では飲まないけれど、みんなで楽しく飲む場所が好き。

ごくたまに、その場にいる人に笑ってもらいたいという責任感が湧いて、変なスイッチが入って飲み過ぎてしまうことがある…

別に私が主催でもなんでもないのに、みんなにとって楽しい時間になって欲しいと思ってしまう。変な方向に弾けてしまうことが、たまにあるのだ…笑

あれは2年ほど前、未だに忘れられない優しい出来事が起きた。

***

その日は会社の食事会だった。
1年に数回しかない、他県の営業所からも人が集まっての食事。最終の新幹線で帰るという人が多いこともあって、スタートからピッチが早かった。

宴会の場所は中華料理屋。

ビールのお酌から、早々に「紹興酒」に切り替わる。

そう…中華…みなさん、ご存知だろうか?
中国には"カンパイ”という文化がある。

別に日本にある中華料理屋なんだから、カンパイしなくていいんだけど、テンションが上がり切った私は、いろんなテーブルで「カンパーイ」と言っては、小さなグラスに入った紹興酒を一気飲みしていた。(※真似しないでね)

どれだけ飲んだかは分からないけど、周囲が心配するくらい飲んでいたことは確かだ。

記憶はしっかりある。

みんな、楽しそうだった。お腹抱えて笑っていた。

でも、完全に酔っ払った自覚はある。

お開きになって、お店を出て、家路の途中で、お店に携帯を忘れていることに気づく。…やってしまった。

一緒に帰っていた先輩がお店に確認の電話をかけてくれて、調べてくれていた。私はというと、道の植え込みに着ていた上着をまた、置き忘れていた。

それも先輩がすかさず拾ってくれた。

本当にすみません…と頭を下げ、途中で先輩と離れて家路に急ぐ。

家まであと3分というところで、ホッとして気が緩んでしまったのか、急に歩けなくなってしまった。めまいがする。

「あかん…ちょっとだけ休もう」

近くのコンビニ前で、項垂れていた。

しばらくすると、ちょっと意識の遠いところで、「これ、どうぞ!」という声が聞こえた気がした。まさか私じゃないよなあ〜と思っていると、目の前に冷たいペットボトルが差し出された。

「誰!」っと驚いて、
顔をあげた時には、もうその人の背中しか見えなかった。

通りすがりの人が、どこの誰かも分からない酔っ払いの私のために、お水を買ってくれたのだ。だって、まだとても冷たい。

名乗るわけでもなく、ただ、どうぞと言って、私の横にペッドボトルを置いて、そのまま去っていった人。

なんて、粋なんだ。

お水を飲んだら、一気に目が覚めた。

あの時の感動は忘れられない。きっと、その人はとっくに忘れているだろうし、お礼を伝えることはもうできないだろうけど。だから私は、誰かが困っていたら、同じことをその誰かにしてあげたいと思う。

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