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ボードゲームの試遊委託と販売委託のお値段は?

こんにちは、七盤のハムさんです。

以前の記事やTwitterでもお伝えした通り、今期はましかまるさんの広報宣伝担当として試遊委託&販売委託を担当しました。

友人なので、今回は試遊委託&販売委託のいずれも友達価格で受けたのですが、本来どの程度の価格とするべきか、見積もってみました。

次回以降、皆さんが「試遊委託」や「販売委託」をする場合の一つの目安として、参考になれば幸いです。
(試遊委託の文化がこれを機に広まってほしいと切に願っています)

①試遊委託について

計算方式① 実働ベースのコスト計算

拘束時間に対してお金が払われるとして計算してみます。
試遊会で自分のゲームだけ何回も遊んでもらうというのはなかなか難しく、3時間の中で他の作品をプレイしながら、その中で1回は自分の作品を遊んでもらうというのが一般的なバランスです。
そうなると、時給1000円として試遊1回3000円となりそうですが、「遊んでいるのにまるまるお金をもらうのはいかんだろう」ということで、その半額の1500円が1回分とするのがよさそうです。

この計算方法でいうと、1500円*10回ほど遊んでもらったので、試遊委託分の代金は15000円となります。

計算方式② 広報力(効果)ベースのコスト計算

実働それ自体ではなく、広報力を計算根拠にするという方法で考えてみましょう。
試遊したユーザーは写真やプレイ感想のツイート(試遊ツイート)をしてくれます。そこで、そのツイートを作品の知名度を高めるTwitter広告の一種であると考えて広告費用として計算しようというのが、②の計算方法です。

まず、一つの試遊ツイートが1000回見られると仮定して、一回の試遊ツイートの価値は400円と見積もれます。
(Twitter広告のCPM単価相場は400-600円のため、下限額で計算)

この計算方法でいうと、400円*20名ほどに試遊ツイートしてもらったので、試遊委託分の代金は8000円となります。

②販売委託について

計算方式① 実働ベースのコスト計算

まずは最も計算しやすい拘束時間に対してお金が払われるパターンです。
9時から18時(昼食休憩1時間)が拘束時間のイベントスタッフなので、
単純に時給1000円として、売り子委託の代金は8000円になります。

計算方式② 販売力(効果)ベースのコスト計算

次に考えられるのは、委託料をとることです。
委託手数料は、大手の量販店で30%ほどですので、ゲムマ会場で1日だけの委託であることを考慮すると10%ほどがよいでしょう。
ましかまるさんの希望で土曜日の売上の具体的な金額は書けませんが、その10%を私がもらうことになります。

③その他の費用について

二つの委託を受けるには、その他の経費もいろいろかかります。
また、当日に向けた準備もいろいろする必要があります。

①の試遊委託でいえば、以下のようなコストがかかります。

・交通費
・イベント参加費
・作品のルール説明の準備
・プレイヤーからの感想を作者にフィードバックする
試遊委託にあたり必要なもの・こと

私の場合は、「試遊委託があってもなくても試遊会には行くから、交通費とイベント参加費はなしでいいよ」と言いましたが、
試遊してもらうためにわざわざ試遊会に赴いてもらうのであれば、交通費やイベント参加費は制作者さんが経費として払うことが適切でしょう。

②の販売委託でいえば、以下のようなコストがかかります。

・設営資材・簡易レジ・釣り銭・ポスターなどの設営準備
・予約票の事前印刷
販売委託にあたり必要なもの・こと

また、一定の影響力のある人に委託をお願いする場合には「ブランド」や、インストのスキルが高い人には「インスト能力」に対しても謝礼を払うべきだという意見も考えられるでしょう。

課題とまとめ

同人ボードゲームは原価率が高いことで知られています。
かりにボードゲーム一つあたりの利益が500円あったとしても、10や20といった簡単ではない数を売らなければ、試遊や販売を委託したこと自体が赤字になってしまいます。

ですので、「初出展のサークル」というよりは作品を三作ほど発表した勢いのある制作者さんが、さらに勢いをつけるための選択肢として使うのがよいのではないかと思いました。

何事にも言えることですが、上述のような全て現金のやり取りではなく、「前回はお世話になったので、今回はブログ記事で紹介させてください」のような、人間関係を基盤にした委託が望ましいということになりそうです。

このように考えると、友人であり、ちょうど勢いの出てきたましかまるさんの試遊委託&販売委託を受けたのは、やはり正解だったなと思いました。

それでは、今日はこの辺で。

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