202010/21『私以外みんな不潔』読了。

10/18(日)に駅前で古本市が開かれていた。

何か掘り出し物がないかと眺めていたら、一際目を引く黄緑色のハードカバー。思わず背表紙を見た。題名は『私以外みんな不潔』。人に触られるのが苦手なのかと思った。読まれるために生まれてきたはずなのだから、そんなことはないだろう。

葛藤の挙句買ってしまった。太めの帯の子供が「買ってくれても良いんだよ」というような眼差しで半崎を見ていたから。というのは半分嘘で。純粋に内容が気になったからだ。

まず幼稚園児の視点、まるで幼稚園児が書いたような文章の分かりやすさに心惹かれた。どこの文章を読んでも難しい言葉がないのだ。幼稚園児の視点だからこそ、普段大人が気付かないような独特の感性も表現もあって、読んでいてハッとさせられた。昔の自分もこうだったのだろうか、いやそんな繊細な心と感性は持ち合わせていなかったと思う。

5歳の子がここまで突き詰めて悩んでいるなんで誰が想像しているんだろうか、今 子供と接することがほとんど無くて、距離感が掴めぬまま子どもという存在が怖いものになってしまっているのだが、(ウン10年前までは半崎も子供であったろうに不思議なものだ。)それでも半崎はこの子に触れてみたいと思ってしまった。自分と重なる部分はまるで見つけられなかったが、彼のように子どもも苦労しているのだなと感じることが出来て良い読書の時間になったと思う。

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