ファイナリストになった心境

どうも、ハムです。

2020年冬の勇者杯決勝大会は残念ながら1回戦負けとなり、ベスト8で散りました。しかしながら、本当に様々な心境の変化があったので、これを機に言葉にしてみます。

デッキ選択など、それっぽいことも話しますが、基本的には、『ハムってこんな人間だ。』という自己紹介を内心を曝け出しながら改めて語るつもりです。つまり、完全に僕と既に仲の良いフォロワー向けの記事になります。

①砂漠

 まず、ファイナリストになったことで大勢の方から応援の言葉を頂きました。一人一人に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。ついでにギフトでドラゴンクエストイラスト集をちゃっかり頂戴しました。

 そして、かなりの多くの実力者たちに調整を手伝ってもらいました。時間の差こそあれど、どこまで挙げれば良いのか分からないくらいの規模感で大勢の力を借りながら練習しました。

 正直、調整付き合ってくれませんか?って言われて、断るのは難しいと思う。そりゃ多少なら容易でしょう。でも決勝大会はアディショナル後の環境であり、どんなデッキがどう強いのかを模索する段階から始まる。ほとんどの人たちは三次予選で燃え尽きてしまう。新弾を待ちつつアディショナルを緩くエンジョイしようって人が大半の最中、高いモチベーションを維持して調整に付き合うことがどれだけ無茶振りなのか。

それでも勝ちたかったので、多くの人を巻き込んだ。みんなの時間を奪うことの自覚。そして、それに相応しい対価が一体何であるのかを考えながら、誠心誠意感謝をしつつ、ひたすらに調整を繰り返していた。

 配信中の視聴者の励みのコメントも大きな支えとなった。前日や当日の健康管理の仕方のアドバイスなどもあった。些細な言葉が本当に胸に響いた。

 こうして沢山の人たちと関わり合って、ふと随分と前に夢中になった小説の一節を思い出した。伊坂幸太郎の『砂漠』で、学長が卒業式で

「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」

という、星の王子様で有名なサンテグジュペリの言葉を引用して話すワンシーンだ。ゲームを通じて、なんとまあ贅沢なことをしていたものよと思い返すばかりです。


②デッキ選択など

 アディショナル後の一週間は本当に頭を抱えた。レックテリーが強いことは予想の範疇であったが、占い三人衆ミネアの立ち位置が芳しくないことを受け入れることは非常に心苦しく、得意な環境で決勝に臨みたかったなぁと愚痴ってばかりだった。

しかし早い段階で、レッテリ、伝アリの二強であること。サードとしてレッピ、地図とる、占いのいずれにするか。という絞り込みができたので、いかにミネアを採用する理由付けができるのか、シンプルに情で持っていくのかというだけになった。

結局、二強の練習をひたすらすることが最善であること。特別なサードは存在しないから個人の主観で尖ったもので良い。という見解で落ち着いた。

勇者杯当日は、全リーダーが使用されるという非常に運営歓喜の結果に終わった。しかし、サードの選出が勝負の要であったということはないと振り返って思う。三次予選においてサードが重要であった事実に引きずられた結果に過ぎず、誰も彼もがレッテリと伝アリで勝負するべき環境であったように見えるからだ。

もちろん、ファイナリストたちの色が滲み出てこその勇者杯であり、だからこそ難しい闘いになる。とは言うものの、情にとらわれず、期待値を追い求める姿勢こそが強さでもある。色と期待値の折り合いが求められるのが勝負事なのは間違いない。

それでは僕自身はどうだったのか。どう折り合いをつけていたのか。

頭の中では、ミネアを投げる予定は一切なかった。ワンチャン、ザムディンさんの編成が大当たりであり、決勝で当たってその時にミネアの出番があるかもしれないけど、けどまあそういうことは深く考えても仕方がない。レッテリと伝アリで行くしかないと自分に言い聞かせた。

全員のリストが公開された時に調整班でどんなデッキ選択をするかなどを話した。思ったより地図とるが多いので、レッテリと伝アリのどっちを投げたほうがいいのかというような話が主であり、別にザムディンさんの編成に対するどうこうはなかった。むしろ、ミネアが唯一真っ向から通るし、伝アリメタであるから、初手テリーで二戦のうち一勝をして最後にミネアで勝つのが筋という結論に速攻で至った。

そのまま数日が経ち、前日準備中に投票の際に記載された応援メッセージがデータとしてメールに添付された。元々、緊張とかはしないタイプではあったが、焦燥感のようなものがモヤモヤっと胸のうちにあった。それがものの見事に打ち消されていき、言葉の力に感嘆していた。

友人の声、リスナーの声、かるた関連の声、ミネア関連の声。

どの声も僕のこれまでの積み重ねの結果であって、悩みに悩んだが、本当にミネアを採用して良かったとこの時に感じていた。

そりゃもちろん最適解ではなかったかもしれない。でもこういう選択をしていなければ、心の時点で負けていたと思う。心没回避!って脳内で叫びながら、涙を堪えながらメッセージを読んでいた。

前日リハが終わり、シャワーを浴びながら、結局のところ、ミネアを出せる人は決まっているし、当たったとして、果たして初手で投げることはどれだけ許されるだろうか。と軽く脳裏に浮かんだが、既に結論は出したはずだと、とっと寝ることを優先して当日を迎えた。

通信環境等の準備は万端。当日の解説陣との受け答えはバッチリ。トーナメント表もかなりの追い風であると客観的にみて明らかだった。

しかし、蓋を開ければ、初手で占い師を選択した。次に投げるテリーの勝率が若干落ちる可能性があったが、それでもなお気持ちを整えるためと考えたら微差であり、問題がないと判断した。普段から僕は、『ミネアは初手に投げるか出さないか。』という話をたまにする。今回は例外のケースなのだが、細かい理由を解説したことはないので、逆に相手視点、僕がミネアを初手で投げる確率は非常に高いと判断すると読んでいたが、まあ構わないと思うだけの自信はあった。

そもそも伝アリと占いは互角マッチなのだけど、それを認識している人がどれだけいるのかが流石に未知数であって、結局、何を投げてくるかは個人の見解で変化してしまう。

運が悪かったと慰めをちょいちょい頂くが、僕自身はそのようには試合中も大して思っていない。このデッキの最低値をここで出すかぁ。でもまあ合格点のプレイを難なくしているから一勝はできる。という確信があったし、むしろ試合に至るまでの流れは非常に運が良い方であった。

とはいえ、ギリギリであったのも間違い無くて、二試合目のビッグターン中、心臓がバクバクとなって、ああ、ここで俺も緊張するんだあって、内心笑ってもいた。本来なら100点を狙えたターンだったが、80点で充分であったので、胸を軽く叩いて落ち着かせたりしていた。

ヘッドホン越しに審判から声掛けがあり、約二分間がデッキ選択の時間として与えられる。確認が取れたら開始ボタンを押すルールとなっている。二試合目の後、伝アリを投げるべきかどうかという悩みに襲われてしまい、審判にギリギリまで悩みたいから二分後直前に声かけをお願いした。たぶん厳格なルールがあるとしたら余計な注文をしたはずだと思いながら、必死に悩んだ。

初手で占いを投げた場合でもレッテリの勝率がさほど落ちないというのは勝っていることが第一前提なんじゃないか?カミュが抜けられたこの場合はどっちを出すかは50%になっていないか?という問題が急遽現れてしまった。

色々な考えがあったものの伝アリを投げた。後から考えれば後悔する点ではあるが、やはりジャンケンになってはいたと思う。心残りなのは、ハナからミネテリを出す予定であったために、唯一対戦相手の伝アリとのミラー想定の練習を一切してこなかったことだ。それ以外の全てのデッキと練習したが、本当に唯一の穴だった。

こんな穴を突いて難題を突きつけるなんて、勝負の神様は恐ろしいやつだなぁ

こんな想いでいっぱいでした。


③ポジティブになれた

最近はやることなすことが好調であり、失敗したとしても余裕でいられる。もちろん、これまでの努力が実り出しただけの話ではあるが、良い出来事は連鎖するものだとしみじみ思う。

ここ一年近く、自分で散髪をしていた。コロナ禍で大半のことを自力で済ませた。真面目な性分過ぎて、過度に外出も控えていた。まだまだ社会情勢は変わらないだろう。だけど、内向的な部分に雪どけが見られた。

美容室に行った。めちゃくちゃ買い物をした。良いなって思った靴などを値札に物怖じせずカゴに放り込んだ。映画館に行った。水族館に行った。遊園地に行った。胸がとても軽くなった。足も宙に浮いたような心持ちになった。

『趣味は何ですか?』ありきたりなこの質問に『ゲームです。』と答えたことは指で数えるほどだ。競技かるたやボランティアって答えた方が断然ウケが良くて、話の幅が広いからだ。本当にリアクションの差がすごくて、わざわざゲームの話をしたいって気持ちが薄れていた。

『今度、ゲームの大会でYouTubeに映るんだ〜。』こんなことを自分の口から発する日が来るとは思いもしなかった。旧友に詳細を伝えて観てもらった。それは年賀状のようなやりとりで、そもそも習慣でもなかったけど、今はこうやって元気でやっているよ!って見せたかった。

つまるところ、人生の風向きが変わっていった。この一言に尽きると思う。


④アーカイブを観て思うこと

勇者杯の裏側がどんな感じだったのか、そしてアーカイブを観て思うことを振り返りたい。

三次予選後、すぐに電話が来て本戦出場の参加意思を確認される。特に今回は社会情勢的にzoomで打ち合わせが行われた。日程調整をしたり、忙しい一週間を過ごした。

1番嫌だったことは、自撮りをしなくてはいけないことだった。ネットに生涯にわたって残るであろう画像になるのだから、プロの手で上手いこと出来の良い一枚に仕上げて欲しかった。我慢するしかないと言い聞かせたが、相当のストレスであった。

オンライン開催なのは自明だったので、いかにオンライン環境でエンタメを届けるためにプレイヤーとして何ができるかを考えた。特にこのような社会情勢の中で開催を決行してくださった運営の人へ感謝の気持ちを表すためには、選手として能動的に勇者杯を盛り上げることが大切だと考えた。

シンプルな答えは、ワイプ芸などのリアクションをしっかりすることだろう。また選手としての認知度を少しでも伸ばすための配信をすること、当日のインタビュー最中にしっかりと感謝の言葉を述べることを決意した。

ただ自分のワイプ芸を振り返るとタイムラグが2秒ほどあるように感じた。具体的には、ビルドのハイタッチ成功の時、また逆転の兆しが思い通りにならなかった時に配信画面ではまだ結果が見えていないのに僕の表情などでどう転んだのか予想できた。そもそも観戦モードだとこれくらいのラグが存在しても不思議ではないので、このような瞬間的なワイプ芸をするときは数秒待つ必要があったみたいだ。

ファン向けの小ネタでは、くじ引きの際に、『上段の〜』なんて言っている。これは競技かるたで、札の置き場所を上段中段下段と表現をするところから来ている。しっかり気づいた人が複数名いて感激である。

対戦相手に通称“クリシコ“をされているときに、一瞬手コキポーズをしている。前日配信でやろうかなって言ってたもので、どうやら運営サイドにバレていたらしいので、ならやってしまおうと。チャット欄で指摘している人がいてこれも感激したのである。

本番中は常にカメラをオンにして待機していないといけない。席を外すことは当然許されているが、あらゆる連絡がzoomで行われていた。急なアナウンスが度々あるのでどれくらい注視しているべきか難しく、その点ではオンラインいえども非常に疲労の溜まるポイントであった。初の試みであるから我慢している点は多かったので次回以降どう反省が生かされるかが気になる。

しかし、勇者杯後、選手にフィードバックが求められることは一切ない。ここに関しては甚だ疑問が残る。バカなの?とストレートに思っている。

またzoom用の支給PCの返還日が、24日(水)必着であったので火曜までに届けないといけなかった。どうしてこんなに早く急かされないといけなかったのか。ちなみに24日は祝日であるので、この日にゆっくり準備をしたかった。なぜこんな愚痴を漏らすかというと、PCを包むプラスティック製のクッションを包装せずに配送してしまったからだ。もし壊れていてもマジで知らねえ!って思っている(バカなの?)


⑤さいごに

今後は週1以上の頻度の更新予定です。一応、もっと投稿はするつもりではある。

前回の水族館の記事も不完全燃焼な部分があるし、もっと書きたいことがあるので今後掘り下げていきたいです。

高評価とコメントをいただけると非常にモチベが高まります!今後に期待してたくさんグッドをください!今後どんなテーマの記事が読みたいなどのリクエストも構いません。

それでは今後ともよろしくお願いします!

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