大切な親
母は色々と不幸が重なっていたと思う。
更年期障害、憎いガキ、旦那の引越しに振り回される人生
きっと何かに逃げたかったんだと思う。
だけど自分は母親だから支えなきゃって思いが働いた。
子供の為に友達を作らないとって。
多分そこから歯車が狂ったんだと思う。
新しいストレスが増えたんだと思う。
元々酒呑みな母がもっと酒呑みになっていったのもそこから。
朝から晩まで酒を飲んでいた。
何か食べたりせずにただずっと酒を飲んでた。
飲みまくって知らない人とケンカしたり道端で寝始めたり散々だった。
挙句の果てに酒を飲んではお前なんて産まなければとかほざいて
お前見てるとムカつくとか言って殴ってきた。
酔いが覚めたら"好きだから殴るんだよ"とか"産まれてきてくれてありがとう"とか気持ち悪い言葉を並べてた。
偶に泣きながら"なんで私ばかりこんな目に"とかほざいてた
私はずっとそんな母を見ながら幼いながらに"早く死ね"と思ってた。
小学生に上がるまで"死ね"という感情しか湧かなかった。
暇さえあれば死ね、消えろって思ってたし
どうやって殺そうかな、なんて事を考えてた。
酒を飲んでは殴るものだから私は父親の部屋に逃げ込んだりした。
私が髪の毛引きずられようが首締められようが見て見ぬふりをする父が憎かった。
ほぼパンイチで真冬に閉め出されたこともあるし鉛筆で手の甲刺されたりもした。
でも皆見て見ぬふりをする。
私に痣があっても気づかないフリする大人
私が病室で殴られてても見て見ぬふりする看護師
全て憎かった
今となっては笑い事で済むし死ねなんて感情はもうない。
親はお酒を辞めてくれたし私は親の期待に応えられるように常に笑顔でいた。何を言われても反抗せずに聞き分けのいい子でいた。
私が健康的で聞き分けのいい子で不器用じゃ無ければこんな事にならなかったから。
まだまだ不器用だけどこれからも死ぬまで償おうと思うし償わせようと思う。
私のせいで傷付けたと思う。