今日の日めくり歎異抄の言葉31
今日の日めくり歎異抄の言葉
人生をかけて
読む本に
出遇えた
よろこび
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右この聖教は、当流大事の聖教となすなり。無宿善の機においては、左右なく、これを許すべからざるものなり。〔釈蓮如〕(花押)
(『歎異抄』奥書)
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『歎異抄』には著者の原本は伝わっていません。現存する最古の写本は、蓮如上人(一四一五~一四九九)の書写本で、本派本願寺に所蔵されています。いまは二巻の巻子本になっていますが、もとは袋綴になっていたものを江戸時代の中ごろに巻子本に改めたようです。表紙に「歎異抄一通」とあり、右下に「蓮如之」とありますから、蓮如上人みずからが書写し、ご自身用として座右においておられたものであることがわかります。なお、本文は上人の比較的お若いころの筆跡ですが、最後の、
「右斯聖教者当流大慈聖教也、於無宿善機無左右不可許之者也。釈蓮如(花押)」(右この聖教は、当流大慈の聖教となすなり。無宿善の機においては、左右なく、これを許すべからざるものなり。釈蓮如)
という奥書は上人の晩年の筆跡であろうといわれています。
ともあれ蓮如上人のこの奥書がありますので、この書が浄土真宗にとって大切な「聖教」の一つに列せられることになったわけです。なお「無宿善の機」の宿善とは、もともとは、過去世に積んだ善根のことですが、浄土真宗では、信心を得るための善き因縁ということで、根源的には如来のお育てを意味していました。しかしここで「宿善のないもの」とは、真剣に法を聞く気のないものや真宗に敵対感情をもっているもののことでした。そうした人々がこの書を読めば、誤解をするばかりか、おそらく念仏を誹謗し、重大な罪をつくらせることになるであろうからです。私どもも、心をこめて大切に拝読しなければなりません。
(聖典セミナー『歎異抄』梯 實圓師
「はじめに」 『歎異抄』の古写本について 3~4頁)
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日めくり歎異抄
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聖典セミナー『歎異抄』
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『歎異抄を読む』
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『歎異抄』現代語版
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『歎異抄の言葉』
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聖典読解シリーズ『歎異抄』
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『歎異抄のこころ』山本仏骨著 永田文昌堂刊
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この他にも『歎異抄』に関する本でお勧めがあればぜひお知らせください。
南無阿弥陀佛