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シルバニアファミリーに「着物」を着せたい!試行錯誤の記録。後編

前編https://note.com/haluchobin/n/n068bde9fe909のあらすじ。

「コスバニア」をやりたい。大正浪漫風の衣装をシルバニアに着せたい。二つの目的からスタートしたシルバニアサイズの着物作り。その先に待っていた課題とは。

試作、また試作


「シルバニアの着物を作りたいけど、型紙が……」というのが、誰もが最初にぶち当たる壁ではないかと思います。

(余談ですが、本来、着物の仕立てに型紙は使用しません。それには色々と理由がありますが、関係ないので割愛。)

20年くらい昔の本に、着物の型紙と作り方が載っている、という噂は聞いたけど、現在は入手困難。

「よし、自分で作るしかない」

当方、洋裁はさっぱりかっぱりですが、とある事情から、着物の仕立て方については熟知しています。

モデルがとてつもなく小さいとは言え、着物の構造なんて単純な物だし(直線の布を縫い合わせるだけ)、そのまま縮小すればいけるんじゃね?

と考え、やってみた結果がこちら。

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大変な事になりました。

考えが甘かった……。

言うまでもなく、シルバニアのプロポーションはニンゲンとはかけ離れています。その上、腕が「前後に回るけど、左右に開かない」という特殊な作りになっております。

さらに厄介な事に、彼らにはニンゲンには付属しないパーツ、「しっぽ」がくっついています。可愛いんですが、それが案外、後ろ側の布を引っ張ったり、広げたりといった弊害を生み出す。

これはアレだ、全く別物なんだから、一旦、着物における常識とか、固定観念とかぶち壊さないと、どうもならん。

というわけで、ニンゲン用ではあり得ない、「袖付けのカーブ」なども取り入れて、型紙の改善と試作を繰り返しました。

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完成度の基準として、目標に定めたのが「打ち合わせがキチンと出来る事」「袖が自然に見える事」。ミリ単位の線の違いで印象がかなり変わるため、行きつ戻りつしました。

最終的に、型紙はこんな形になりました。

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現在はここからさらに進化させて、全く違う形になっています。

ニンゲン用の着物の印付けと比較すると、かなりキテレツな形になっており、出来上がった着物も、ニンゲン用のように平らにはなりません。でも着せると比較的バランスも良く、違和感もあまりないので、とりあえずは良しとする事にしました。

何事もそうだと思いますが、完璧を求めると永遠に完成しないので、やりながら改善して行く方が、ストレスにもならない。

手始めに、裸ん坊の状態で入手した、サルさんに着物を縫ってみました。

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人間とシルエットが近いからか、着物がとても似合っていました。

気を良くして、さらに何枚か作り、帽子なども作るようになりました。

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ツイッターで初めて、たくさんのRT、いいねをいただけたのが、この「ネズミの着物」です。

自分の思い描いた、「美しいもの、可愛らしいもの」が具現化出来て、たくさんの方々から「いいね」と言っていただけるのは、とても嬉しいですね。

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折角なので、コスバニアの写真も何枚か。

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着物の完成度については、まだまだ完璧には程遠く、もっと大胆な工夫が必要なのではないかと感じます。

最近、リボンを反物に見立てて着物を仕立てる、という事もやってみましたが、想像よりも違和感が少なくて、普通の布から作る時にも参考に出来そうな内容になりました。

これからも楽しみながら、工夫を続けて行こうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。さようなら。

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