東映特撮ファンが思うこと
会社員2年目にしての最大の課題。
「他人の言葉に耳を傾ける」
もっと言えば
「自分の価値観で判断しない」ということ。
こだわりの強いアングラ育ちの人間が
社会性を身につけるとはどういうことなのか。
理想と折り合いと行ったり来たりしている。
そんなモットーを念頭に置きつつも、
スルー出来そうにない記事と出会ってしまった。
東映社員の内部告発を読んで居た堪れなくなってしまった。
大好きな作品の現場はこんなことになっていたのか…
失望というよりも、
たまたま都合よく気にならずに済んでいただけの
ユニットバスの洗面台の下を覗いてしまった時の戦慄に似ていた。
清潔に保っていたつもりが
手が届かず見えにくい洗面台の下は大変なことになっている。
私は現在、31歳、沖縄出身の会社員。
東映特撮ファン歴25年ほど
6歳の頃にはすでに歴代作を遡っていた。
直近では先週日曜に劇場で
「テン・ゴーカイジャー」を観たところ。
そして、東映特撮ファンクラブの一員でもある。
東映特撮ファンクラブ
通称「TTFC」は東映特撮のネットフリックスみたいなもので
過去の作品が見放題。
90年以前の歴代作品がビデオ→DVDになって
TSUTAYAでレンタルされるたびに歓喜していた頃に比べると
夢のような時代の到来である。
全然関係ないけれど
特撮をアイドルに例える。
昭和ライダー≒おニャン子
平成ライダー≒AKB
戦隊≒モー娘。
となる。
特撮界で戦隊シリーズがあり続けたように
アイドル界にモー娘。があり続けたことが
平成ライダーを生んだのだ。
という持論を頻繁に展開しているがウケたことがない。
31歳にしてやっと東京生活にゆとりが出てきたこともあり
戦隊熱が再燃し、戦隊ギアのガチャを見かける度に回している。
さらに個人的な話をすると、
地元の沖縄には日テレとテレ東の系列局がなく
「おはスタ」や「デジモン」は
コロコロコミックの中のだけの空想世界。
当時から謎のローカル番組だらけの沖縄(*大リスペクト)で
東京と同じ時間に同じ内容を放送している
数少ないキッズ向け番組がスーパー戦隊だった。
子どもなりに、幼いなりに、
沖縄は東京のカルチャーに憧れることしかできない
手の届かない場所だと認識していた。
どれだけ応募してもミュウがもらえるイベントには参加できない、
(※一部地域を除く)は自分たちのことだ、と。
誰も教えてくれなかったけれど、
なんとなく知っていた。
そんな沖縄でも
夕方にテレビをつければ
最新話が同じ時間に放送される
戦隊シリーズは貴重だった。
当時、電磁戦隊メガレンジャー(*主題歌好きすぎ)
の途中から日曜朝に移行してからも変わらず
東京と同じ時間に観ることができた。
どれだけ一部地域で除かれようとも
近くのショッピンセンターで
ヒーローショーはやっていたし
戦隊ヒーローが公平であり続けたことが
今もファンクラブの一員でいられる一因かもしれない。
〜〜〜〜〜
上記の内部告発について、
居た堪れない明確な理由がある。
作品の内容とは関係ないよね、
素晴らしい作品を届けていることが価値、
ドラマ、映画、映像の作品の世界ではあるある、
今はまだマシなった、
映像作品や業界の現場、事情、背景を
私は知らない。
そしてセクハラ、パワハラ、搾取等…
個人レベルの教育や思考や正義感に委ねて
解決していけるような問題でないことだけは
想像に容易い。
ただ、この問題で居た堪れない理由。
”自分がもしもその場の一員だったとすれば、
問題の構成員を担ってしまうことが容易に想像できてしまうこと”
選ばれし上位にいれば
「俺はもっとしんどい思いしてきた、まだ優しい方だぞ」
と長年しがみついてきたプライドを盾に同僚たちと賛辞を交わすだろうし、
若手だとすれば
「あの憧れの作品のレジェンドたちと、まだ未熟な自分、価値観の不一致は目を瞑ろう」
と時代錯誤の違和感を見て見ぬふりしながら、なんとか自分の中で折り合いをつけるであろう。そして、力を持たぬ自分に落胆している。
ふと想像してみても、
個人単位で乗り越えるための策なんて思いつかない。
世のハラスメント問題もほぼ同じ構造になっていて
これを社会は解消に向かっているのかもしれない。
一ファンとしても、
今回の告発を真摯に受け止めて欲しいと願ってやまない。
力で弱者を苦しめて浮かれている悪者をやっつけるヒーローであってほしい。
無知な子ども騙しの一過性の作品ではなく
大人になっても憧れられる価値ある作品をこれからも期待していたい。
頑張れ!頑張れ!
東映特撮頑張れ!
そして、明日の自分!
お前も弱者を苦しめる側になっていないか!
頑張れ自分!
(*写真はいつかの私と仮面ライダーなでしこです)
HAL=tonny