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【過去から学ぶ】大型地震が日本経済に与える影響

直近では南海トラフ地震について警戒が高まっています。
いつ発生してもおかしくないといわれている南海トラフ地震ですが、いざ発生した場合、日本経済にはどのような影響が考えられるのでしょうか。

また、日経平均はどういった推移を見せるのでしょうか。

過去の歴史的な大震災でどのような動きがあったかを交えて、予想していきたいと思います。


南海トラフ大地震について

南海トラフ地震の規模

南海トラフ地震の規模は様々な予想がありますが、気象庁のデータでは静岡から宮崎まで幅広い範囲で震度7となる可能性があると見込んでいます。
また、南海トラフの震源地は太平洋沖で発生することが想定されるため、10mを超える津波の襲来が予想されます。
経済に対する影響は甚大なものとなるでしょう。
死者は32万人を想定しているとのことです。

南海トラフ大地震による予想震度分布

被害総額1410兆円?日本経済の膠着

こちらは記事によってまちまちですので、金額がどれほどになるものかは未知数ですが、注目すべきは”太平洋ベルト地帯”に直撃している点です。
日本の工業地帯が集中していることに加え、高速道路などの日本の大動脈が密集した太平洋ベルト地帯の被災は、より深刻な影響を与えます。

直接的な被害額は220兆円を想定しており、これは東日本大震災の10倍以上になります。
また、ある記事では20年間でおよそ1410兆円の被害総額になるという試算があるようです。
まさに日本経済は危機的状況に陥る可能性があります。

過去の大型地震と比較

1995/1/17 阪神淡路大震災

マグニチュード7.3の内陸地震でした。
津波による被害こそありませんでしたが、1月はまだ寒く暖房器具が使用されている時期でした。
当時は木造家屋が多いこともあり、倒壊した家屋の同時多発出火で大規模火災となりました。
死者は6,432名とされています。

2011/3/11 東日本大震災

東北地方太平洋沖地震がもたらした災害です。
マグニチュード9.0を記録しています。
地震により様々な災害を誘発した複合災害といわれています。
地震による家屋倒壊だけではなく、大津波、大規模停電、燃料不足、原子力災害など、その影響範囲は全国に及びました。
私も衝撃的な記憶が残っておりますが、10年以上が経過した現在も当時の爪痕が残されています。
死者は15,900名とされています。

過去の地震規模と比較

過去の大型地震と比較すると、南海トラフ地震の被害想定は人命・経済いずれにおいても甚大なものになることが想定されています。

日経平均の推移

過去に学ぶ、震災直後の動き

過去の記録を見るに、震災直後は一時的な暴落を引き起こします。
東日本大震災当時を詳しく見てみましょう。

地震発生は大引け間近の14:46。
直後から売り注文が殺到し、10分程度で100円(1.0%程)以上の値下げでした。
値下がりが目立ったのは大型で流動性の高い銘柄だったようです。
この時は外国人投資家がリスク回避のために保有株を売却する動きが出ていたようです。
そういう意味では直近の日経大暴落に似た初動かもしれませんね。

翌営業日は寄り付きから売り注文が殺到。
原発事故が報道されたことで、東京電力はストップ安となり、大引けまで取引が成立しなくなりました。

さらに翌日になると、日経平均の下げ幅は1400円(15.0%程)となり、東京証券取引所第1部上場銘柄の実に97%が下落したようです。
ブラックマンデー、リーマンショックに続くパニック相場となりました。

今後の見通し

南海トラフ地震に関するニュースはNY市場でも報道され、日本への投資妥当性について議論されています。
今後、該当地域で地震が頻発するようなことがあれば、実際の被害は限定的でも、リスク回避の動きが強まる(=日経の下落)可能性はあるでしょう。

特に、日本人による海外への資産移転が加速することが危惧されています。
すでに、実際NISA組からオルカンを推奨する声も出てきています。
直近で歴史的な下落率を記録したばかりですが、さらなる下げ幅を記録する可能性もあるでしょう。
海外投資家・投機筋による円売りポジションをはじめ、年金基金の日本株離れが進むと、いよいよ数十年にわたるトレンド転換期を迎える可能性も考えられます。

投資の世界においては予測が難しい"地震"という災害に対し、長期的な視点でどのようなリスクを想定するのか、今後議論されていくことになるでしょう。

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