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地雷グリコ


・読んだ

・ライアーゲーム、賭ケグルイ、嘘喰い、ジャンケットバンクと同じギャンブル系。嘘喰いから暴パート抜いたやつ。賭ケグルイのこってりした演出をカットしたやつ。ライアーゲームをスマートにしたやつ。ジャンケットバンクを真人間がプレイするやつ。そういうやつ。

・読みやすく、面白かったです。謎解き作ってる人間なら読んでいいと思う。展開、大謎、描写全部に無駄がない。制限時間付きでライアーゲーム作るならこういう感じになるよなってところでしっかりまとまってる。遊びたい。

・4時間位で読めて、収録されてる「ゲーム」が5つなのでちょうどいい。リアル脱出ゲーム行こうか迷って、当日券観てみたけど売ってなかったときとかに読むやつ。

・あらすじはシンプル。女子高生が「嘘喰い」っぽい対人ギャンブルに5つ挑戦する。後半に行くに連れて敵の狡猾さや、規模感がインフレしていく。収録されているゲームは「地雷グリコ」「坊主衰弱」「自由律じゃんけん」「だるまさんが数えた」「フォールームポーカー」。タイトルがそそるよね。個人的には「自由律じゃんけん」と「だるまさんが数えた」が好き。

・ギャンブル漫画って、キャラ付けがエグくてついていけない時がある。ジャンケットバンクの気が触れたキャラクターとか、賭ケグルイのエグい絶望顔とか、嘘喰いの暴パートとか。

・勝利したときのカタルシスを最大化するために、作品としての個性を出すためにやってる描写なのは理解できる。その作品を作品たらしめる魅力であるのも理解できる。

・ただたまに「ダル〜〜〜〜〜」ってなる。大謎を味わうモードになってると、変顔のアップとか、敗北時の悲痛な叫びとか、ちょっとこってりしすぎてるなぁ〜って。

・その点「地雷グリコ」はめちゃくちゃあっさりしてる。各人のキャラ描写は最低限だし、敗北時に「うああああああ!!!!!!」みたいに叫んだりしない。面白いゲームと、面白い展開と、面白いオチがあるだけ。それだけ。テンションとか演出で誤魔化したりしない。

・別に過剰な演出を否定するわけではない。ライアーゲーム(ドラマ版)ではキノコの迫真の演技や、過剰なまでの音楽演出とか大好物だ。嘘喰いの「エアポーカー編」も(ダルって思うところはあれど)全体を通してみれば演出込みで完成されてると思う。

・『地雷グリコ』はデスゲームを「読書」する上では最適なバランスだなと感じる。そしてその研ぎ澄まされた描写は、漫画やドラマのデスゲームから得られる過剰な演出が差し引かれてる分、ガツンと「大謎」だけを味わうことができる。それがいい。

・メディアに合わせて、最適な描写を選択できてる奴。好き。

・「地雷グリコ」はクイズ作家の山上さんに脱出ゲームの帰りの電車で勧めてもらった。山上さんとは帰りの電車、分かれる直前ギリギリになればなるほど面白い話題がでることが多い…(気がする…)

・あれも喋ってないこれも喋ってないって言うのが別れ際に発生するのだ。それで「さようなら」や「良いお年を」っていう挨拶をするのも忘れちゃうくらいギリギリまでギャンブル漫画について話しちゃったりする。

・そういうのいいよね。別れ際ギリギリまで楽しいことを喋れる人、もうちょっと喋りたかったなってなる人でありたい。

・今年もよろしく。

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