さよなら

〈暴かれた世界〉は喪失する
それは精神の他者を訴えていた
欠けた部分はデントだったのか
プラズマだったのか

海が
似合わない色だったから
〈太陽を掴んでしま〉った後で
何を喰らって生きてきたのか
〈世界の終わりがそこで見てる〉
あの静寂と美について
だれが捧げえたか
生きるにはまだ早い
あの黒い愛の穴を纏って
わたしたちの汚穢を吸い
清めていった喉は
どこに落ちていってしまったのか
〈からからの温度の中で〉

冷蔵庫のブランドだったのか
美しい誤読だったのか
甲殻類の名前だったのか
ただ赤かったのか
生まれた日が一日違いだったのか
犬の道を
犬の道を
光と闇に溢れる犬の道を
歩いていく背中が見える  
生きるにはまだ早い

あなたのことは
声しか知らないけど
詩しか知らないけど
踊りしか知らないけど
ギターしか知らないけど
名前しか知らないけど
笑顔しか知らないけど
「死んじまったヤツもいるし」
と呟いた時の〈爪痕〉が
心臓から流れていく

ハロー、あのロケットの音像は
ざらついていたんじゃないでしょうか
ひとり欠けた過去に還らされて
痛苦だったんじゃないでしょうか
青かった〈レモ゙ン〉が叫んで
〈さよなら〉は〈撒き散ら〉された
美しさのために
どれだけ死ねるか
そのような永遠

〈冬の星〉は来てる ここに
失われたものは
森だったのか
はじめから無かったのか
デイジー、ケリー、ダニー、ビリー、ルーシー、アリシア、シャロン、リタ、それから皆どこに行った
ステージに敷いた曼荼羅に吸われていった?
〈砂漠に降る雪〉のように?

あなたの音 綺麗だった
生きるにはまだ早い
不死の列車を数えて
鉄弦を切り刻む友と
煙草を

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