憧れる女、なりたくない女

3月12日
午前中、久しぶりに母親が自宅へ来た。
今回は妹も一緒である。

この妹、以前まで『出禁令』を発令していたため、最寄り駅すら来させていなかった。
理由はシンプルである。私はこいつのことを好きではないからだ。
別に、血が繋がっていないとか、昔殺されかけたとか、特段大きな理由はない。
しかし、『わざと漢字を読み間違えて天然可愛いを演出する』、『コスプレディズニーなどパリピ志向が高いことをする』、『LINEの一言欄に平気でポエムっぽいことを書く』などなど、個人的に苦手な同性の要素のオンパレードなのである。それが実の妹ときた。好まないに決まっている。

ただ、今日はどうしてもと頭を下げられ、菓子折りまで用意してくれたらしいので、『仕事に行くまでなら』と家へあげた。
母の買ってきてくれたケーキを食べて、茶を飲んだら昼寝して、私の出かける夕方すぎに皆で家を出た。
この人たちは何をしに来たのだろう。

夕方からは、ライブの照明スタッフをしに出かけた。
今日一緒に技術をすることになった方は、業界歴は先輩ながら同い年という女性だった。
初めて顔を合わせた私にも積極的に接してくれて、とても笑顔が素敵だった。
『こういう人になれたらいいのになぁ』
根暗で人との接し方が何年人間をしていてもド下手な私は切に思い、皆と別れた後に乗った電車でため息をついた。

物書き志願者です! 貴方のサポートが自信と希望につながります!