単なるお祭りではないけれど
9月21日
午前中で仕事を終え、午後はライブ鑑賞へ。
友人の映像作家がOPVとEDVの制作を務めたライブだ。コントと演劇の狭間のような、そんなライブ。久しぶりの観客席は少し緊張した。
作品は非常に素晴らしく、『笑いあり涙あり』の理想形ともいえる最高傑作だった。脚本や演出、演者さんの芝居はもちろん、彼女の造った映像がまたその作品に彩りを添え、感動を何倍にも膨らませる。終演後、観客席で見学していた彼女にすぐに感想を伝えに行った。
劇場を出た後はすぐに自宅へ戻った。
今日は誰に誘われてもどこにも行けない日。なぜならキングオブコントの決勝の日だからである。
一緒にお仕事させていただいたことのある組、純粋にネタが好きな組、はじめてネタを観る組。どの組も全部のネタが面白かった。こんなに面白い人たちがこの世にいる。きっと惜しくも決勝進出を逃した他のコント師も、絶対に面白かったはずだ。日常を、世の中を、笑いでいっぱいにしてくれる人たちがこんなにたくさんいるって奇跡みたいな話だとすら思う。
「お笑いのある世界に生まれてきてよかった」
憧れのコント師が暫定3位席から離れる前に放ったそのコメントは、お笑いの力に助けられて生き長らえている私の、言葉にできていなかった潜在意識を呼び起こすものだった。
本当に、この世界に生まれてこれてよかった。明日も明後日も、この先の人生も、面白いものに触れ合えて生きていけるんだから。
ああ、自分って幸せ者なんだな。
私は神様でも審査員でも同じフィールドで戦う芸人でもない、ただのお笑いが大好きなだけのスタッフなので、そんな感想を抱いた。
人の趣味嗜好は人間の数だけある。それでも、ネタの好き嫌いがあったとしても、決して良し悪しは決められやしない。
お笑いの大会は難しい。日本一を決める側面はもちろん、純粋に最高のネタを披露してみんなで楽しむ場所でもあると思う。だからこそ私は純粋なお笑い好きとして、繰り広げられる至高のネタたちを心から楽しむことにした。それができただけで、本当に良かった。
さあ、明日も早いことだしすぐに寝るとしよう。明日もきっと面白いものが待っている。
たくさん笑えて最高の1日だった!