春だもんね
4月3日
昼過ぎまで眠りこけ、3連勤の疲れはすっかり取れた。
夕方には中野にいた。今日はライブの手伝い。
いつものことなのに、いつもと違う点が。
「本日はよろしくお願いします」
かわいらしい女の子が私に丁寧に挨拶する。
私に、後輩ができた。
彼女は私が通っていた養成所をこの春卒業したばかりの作家で、「ライブについて色々教えてあげてほしい」とチームの先輩に任命された。確かに出入りするライブもそこそこあるし、音響・照明などの技術に関してもたぶん教えられる。そこで、本日のライブに見学としてついてきてもらうことにしたのだ。
私も養成所を卒業し、気がつけば3年目。そうしている間にも母校からは年間数十人が入学・卒業しているので、後輩がいることは絶対なのだが、こう関わりを持ち、しかも物事を教える立場になるなんて思ってもみなかった。
「今日は音響をお願いします」
主催者の方にそう伝えられる。出演者の方にネタのきっかけを聞いて回ると驚いた。音を使う方がなかなか多い。
……音ミスったらヤバイ。
脳内はそればかりだった。いや、ネタ以外でもミスっちゃダメなんだけどね?私がタイミングをミスることによって、演者さんのウケが変わってくるとそれは大問題である。あと、後輩も私の仕事ぶりを見ている(はず)なのだ。
絶対にミスれない仕事がそこにはある。
緊張の中音響に取り組んだ結果、何とか大きなミスをすることなく終演を迎えることができた。
解放感から腹が減ったので、後輩を連れてラーメン屋に行った。思えば今日初めて会ったばかりで、ちゃんと彼女を知らない。ラーメンをすすりながら色々話し、とりあえず他のライブも連れてお仕事をもらえるように手伝おうと決めた。
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