【盤評】GASTR DEL SOL - The Harp Factory On Lake Street (1995)
アルバムジャケットからディスクに至るまで全てが美しい金色に染まる、ガスター・デル・ソルの17分に及ぶ3部構成のEP。サードアルバムと記すところもあるけれどEPだろう。
壮大な室内学的音響から始まり、デヴィッド・グラブスとジム・オルークの紡ぎ出すたゆたうピアノと歌、心音のドローン。
音響系/ポストロックという言葉が生まれようかどうかという時期の作品だけど、とても抽象的でとめどない17分間。
本作には日本版のような帯がついているが、「湖畔通りの竪琴工房」と"邦題"が書かれていて、また参加メンバの記述があり、ガスター・デル・ソルとは「太陽の胃」を表すことをそこから私は知ったのだった。
黄金のジャケットを開いて裏を見ると、色合いを反転させた滝のような抽象的なイメージが描かれていて、それ以外情報を示すものは何も書かれておらず、これをそれだと知っていなければ、ガスター・デル・ソルの作品だと知って手に取ることは、たぶん、おそらくできないようになっている。
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