初の青春18きっぷが大失敗だった話
経緯
2023年春の青春18きっぷでノープラン一人旅をした。
失敗した。
僕はそれまで一人旅なんてモノをしたことは無かったが、コロナ禍で人との関わりや旅行が規制された影響なのか、めちゃくちゃ旅に出たかった。
だが、僕の決心のタイミングが悪く、友達の多くが結婚したり子供が生まれたりと、一緒に旅行に行けそうな友人がいなかった。
そんなこんなで初の1人での旅行に挑戦してみることにした。
なぜ青春18きっぷ?
前から青春18きっぷの存在は知っていたが利用したことはなかった。
行きたいところも別にない、見たいものも特にない。
そんな僕にとって、好きな場所で降りてのんびり旅をする青春18きっぷはピッタリに思えた。
いざ一人旅へ!!!
事前に青春18きっぷを買っておいて、旅行当日は6時に最寄駅に向かった。
30Lの登山用リュックに3日分の着替えを詰め込んでルンルンで自転車を漕いだ。
とりあえず行き先は決めず、最初に来た電車に乗るつもりだった。
ちなみに僕は名古屋近辺の田舎の方に住んでいる。
始めに来た電車は西行きだった。何も考えずに乗り込んだ。
外はまだかなり暗かった。
家から持ってきたパンと水を口にしながら、ぼーっと外の景色を眺めていた。
2.3時間経ち、聞き覚えのない少し大きな駅で向かいのホームに停まっている快速電車の行き先が京都であることに気が付いた。
何も考えずにその電車に乗り換えた。学生が増えてくる時間だった。
その後、京都駅から大阪行きの電車に乗り換え、そのままの勢いで姫路まで行ってみた。
姫路観光は初めてだったので、とりあえず姫路城に行ってみた。
姫路駅を降りてまっすぐ歩けば着くので土地勘がなくても余裕だ。
一本道の先に白い大きな姫路城が見える景色は素晴らしかった。
お昼ご飯&人との触れ合いにチャレンジ(失敗)
姫路城を観光したあと、お昼ご飯を食べるつもりで駅前の商店街に行った。
経緯に書いたようにこの一人旅の目的の一つに人との触れ合いがあった。
チェーン店に入っては何も起こらないと思ったので、昼から空いている個人の居酒屋に飛び込んだ。
店内はカウンターが8席ほどと4人掛けテーブル席が2.3席あるだけだった。
そして、ドアを開けてまず目に入ったのは、常連さん(のように見えた人達)2〜3人と大将がカウンター越しに楽しそうに話している姿。
店内にはその方達のみ。
「あっ、これはやってしまった....」
と思った。
初の一人旅、基本コミュ障でただでさえガッチガチに緊張していたのに、内輪ノリが完成している集団に入っていくのはハードルが高過ぎた。
それでも、今さら出るわけにはいかずとりあえず席に着いた。
TV △
________________
○●○○□□□○
△=大将
□=常連客
●=僕
○=空席
離れ過ぎず、不自然に近過ぎずの位置に座って、とりあえずビールとつまみを頼んだ。
ビールを飲みながら会話に入るタイミングをずっと伺っていたが、会話の内容のほとんどが、
A「〇〇さんが最近××らしいよ!」
一同「あっはっは!だから最近見ねえんだな!」
みたいな感じだった。
10分ほど様子を見て諦めてテレビを観た。
嫌になって帰る
完全なる逆恨みで姫路に居たくなくなった僕は梅田に行けばなんとかなる(?)と思って大阪行きの電車に飛び乗った。
梅田に着いた頃には夕方になっていた。
お昼ご飯はゆっくり食べられなかったせいで(自業自得)お腹が空いていたので、姫路のリベンジのつもりで1人で入られる居酒屋を探した。
できれば立ち飲み屋のような、客同士で少し話せるような、そんな雰囲気の店を探した。
情けないことに昼間のトラウマで1時間くらいフラフラして結局どこにも入れなかった。
すがるようにHUBに入ってジントニックを飲んだ。
店内にはお客さんが少なかったこともあり、大きなリュックを背負った僕に対して店員さんが「どこから来たんですか?」と聞いてくれた。
「青春18きっぷで名古屋方面から来ました。姫路観光に行ったんですけど、ずっと誰とも話してなくて寂しくて大阪に来ました。
どこかこの辺りで1人でも入りやすい居酒屋って知ってますか?」
とめちゃくちゃ早口で話した。
我ながらちょっとキモかったと思う。
「うーん、この辺りでそんな店あったかなー。
ちょっとわからないです。すみません」
そう言って申し訳なさそうにする店員さんにお礼を言って1人で席に座った。
席でジントニックを飲みながら携帯を取り出し検索し始める。
周辺の居酒屋を、ではない。
帰りの電車の時間を。
全てに疲れた僕は諦めて自分の穴倉に帰ることにした。
そうして僕の初めての青春18きっぷ一人旅は終わった、3日分の着替えを背負ったまま。
おわりに
情けない初旅を晒してしまったが、これは去年の話。
その後友人とのアメリカ旅行を経た僕は人に話しかけることに全く抵抗が無くなり、2024年春の青春18きっぷで見事リベンジを果たした。
次回は僕の第2回青春18きっぷ一人旅について書こうと思う。