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【予想もどきのエッセイ】24ファンタジーST~強さの中の賢さを思う~

この子賢いわぁ。この人すごいわぁ。こいつやばいで。半端ないわ。

他者にこんな言葉を使って感嘆して、それ以来リスペクトの対象になる瞬間ってあるよね。なぜこんなことを言うのかって?そんなお馬さんがこのレースに出るからだよ。

推奨は⑮カワキタマナレア(枠順確定後にゲート番号を追記した)

(©netkeibaの使用許諾範囲内で転載)

このレースは早熟なお馬さん、ここで上りつめたことがゴールになるタイプが多い。もちろんこのレース以後にも活躍する例外的なお馬さんもいるけど(18ダノンファンタジー、19レシステンシア、20メイケイエール、21ウォーターナビレラなど)どっちかと言えば前者のレース。ここでは早熟≒おませ≒あざとい賢い馬を見出すレースと仮定して予想する。

カワキタマナレアを推す理由
(1)早熟≒おませ≒あざとい賢い
(2)距離/コース適性
(3)鞍上の継続騎乗

「24ファンタジーST勝ち馬検討会議」資料より抜粋

カワキタ馬名ってのは、重賞では人気薄のときに「ドカーン」とくるイメージが強いかもだけど、それは「ドカーン」の衝撃が大きいかったこその認知の歪み(実例は22NHKマイルCカワキタレブリー18人気3着くらいのもん)でレアケース。特に好走条件に偏りはないから、たとえ人気になったとしても気にする必要はない。彼女は1人気にはならない。なってほしくない。「2連勝馬は罠だ」という反知性の戯言を信用して、オッズを下げてほしい。まぁ他にたくさん強そうなお馬さんが出るから杞憂に過ぎないけど。

24ファンタジーST 推定人気
(©netkeibaの使用許諾範囲内で転載)

上記の会議資料を少し補足する。

(1)早熟≒おませ≒あざとい賢い
いやいや。彼女はすごいよ。レースを見るだけでそれが伝わって来るほどに賢いよ。

逆説的な意味合いで『彼女は頭が悪いから』ってひどいタイトルの本を思い出したほど。この本はほんとに気持ちが悪い(←ここまで気持ち悪さを書き切る技量をほめている)。この本の登場人物を反面教師的な位置付けにしてこのnoteを書くに至ったのでちょっとだけ書き足しておく。

話を戻す。どこでマナレアの賢さがわかるかというと、ひとつの例が新馬戦のゴール後、2戦目のゴール直前なんだ。レースビデオをよく見てほしい。直線をずっと左手前で加速し続けて、ジョッキーが勝ちを確信して「ふっと」緩めた瞬間に手前を変えるんだ。両レースともね。これってなかなかできないこと。これを2歳の夏にやれている事実こそが、彼女の賢さの証左。もちろん他にもあるのだけど、今日はここまで。有料版になったら書く。

私がジョッキーが勝ちを確信して「ふっと」緩めた瞬間を実感したのは、いつだったかの新潟千直。ゴール前10メートルくらいのラチ沿いに位置していた私は、勝ち馬のジョッキーが目の前でまさに「ふっと」緩めた瞬間に立ち会ったんだ。それまでの追い比べの迫力と真逆のゾーンへ騎手の気配が見事なまでに変わった。往々にその瞬間ってのは、ゴール板を過ぎてからのことだろうけど、レース中にこんな瞬間だってあることをそのレースで学んだんだ。強烈なインパクトをもたらせてくれた割には、どのレースの誰だったのかを覚えていないけどね。

ゴール寸前にもそんな瞬間が訪れるっていう事実。見ている私にも伝わったんだから、お馬さんにはもっとダイレクトに伝わるんだろうと思う。その瞬間に、手前を変えて楽にするマナレアに、この時期の2歳馬重賞に求められるレース本質でもある早熟性≒賢さを感じ取ったということを紹介した。

(2)距離/コース適性
初の1400。200メートルの距離延長は問題ない。それどころか、出遅れ癖がありスタート後に置かれ気味になる彼女にとっては距離延長≒直線距離の延長は望むところだ。彼女の走法、前述の操縦性の高さと外差し傾向にある馬場のバイアス(24スワンSTもそうだった)がかみ合う。

(3)鞍上の継続騎乗
サメカツJが継続騎乗するのは大きな利点。サメカツJは杉山佳明厩舎の勝ち頭(5勝)でもあるけど、それ以上にこの時期のお嬢さんにサメカツJが継続騎乗するメリットを私は評価したい。連続騎乗をとおして経験的に知りえた、マナレアの癖、ストロングポイントをちゃんと理解してちゃんとレースを組み立てる。彼女に相応しいエスコートでゴールに導いてくれる。

この時期を境に、2歳馬の成長曲線は大きくなり、真の実力勝負になっていく。ファンタジーSTの歴代の勝ち馬の多くが、このレースの勝利で頭打ちになるのがその理由だ。

誤解を恐れずに言ってしまえば、まだこの時期の2歳重賞はゴマカシがきく。そのゴマカシを構成する要素は操縦性、早熟性、賢さ、騎手の慣れ。それに距離/コース適性が加わろうとしている。そんな好条件に恵まれたマナレアにとってはおそらく最初で最後の重賞のチャンス。陣営もオーナーももちろんサメカツJもそれを意識しているはず。昔の言葉でいうと「勝負がかり」。その流れに乗りたい。

彼女がここを勝ったら、その勝因を賢さに求める私は『彼女は頭がめっちゃ良いから』というタイトルで本を書きたいくらいだ。だから勝ってほしい。

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まだ水曜日の午後だけど、今のうちに書く。よほどの調教ミス、よほどの馬場の悪化、よほどのゲート運のなさ。そんなよほどがない限りこんな考えでレースに向き合う。

ヤンキースが勝った。ドジャーズ推しだけど今日は別。こんな歴史的な対決を4戦で終わらせるにはあまりにも惜しいから。ドジャースタジアムに帰って決めるストーリーを期待。ファンって勝手なものだよ。競馬のファンはもっと勝手だけどね。
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枠順確定後追記
大外枠になった。すでに雨が降り始めている京都は道悪確定。この時期の2歳馬の道悪適性なんてやってみなきゃわからない。腹をくくってこの馬の賢さに賭ける。サメカツの度胸と知性に賭ける。推奨不変。

「枠順確定後最終検討資料」より追記


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