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【予想もどきのエッセイ(単複的中🎯🎯)】24スワンST~3歳馬の思惑~

どうすんのこれ?

暮れの阪神開催が京都に代替されると知ったときにいの一番に思ったことがある。阪神カップだけは阪神でやってほしい。他にも同じこと思った人が多いんじゃないかな。だって、阪神1400芝という特殊なコースに強い馬を見つけるだけで勝てる年末のボーナスレースだったからね。

「今年のボーナスはありません」ってか。これって衆院選の争点になっている経済政策に取り込んでほしいくらいの損失だぞ。裏金問題でギャーギャー言うんじゃなくて、阪神カップを含めた政策論議をちゃんとやってほしい。

なぜここで2か月先の阪神カップのことを言い出したのか?って。

なぜならば、今年は京都1400(芝外回り)のG2戦が連続するから・・・では言葉が足りないし知性も足りないと思う。負担重量の話なんだ。間隔を開けずに(同グレードの同場同距離重賞なんて2か月って間隔は開いてないのと同じだ)同じ馬場でやる以上、今年は2つのレースをセットで考えなきゃいけないし、そうすると例年以上に負担重量の規定を考えなきゃいけない。その負担重量は以下。

スワンST 
3歳55kg 4歳以上57kg 牝馬2kg減 別定規定あり

阪神カップ 
3歳57kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減 定量

ちなみに、問答無用の定量規定で行われる重賞戦ってチャンピオンシップレースだと私は思っていて、たとえばG2だと阪神カップの他は札幌記念のみ。札幌記念がG1昇格を取り沙汰されるのはこうした理由からでもあるんだけど。って、このままだと話が戻らなくなるので、この話はまた別の機会に。

で、スワンSTだ。今年は同距離同コースの同グレード戦が2か月先にある。1着賞金は5,900万のスワンSTに対し、阪神カップが6,700万。そりゃ阪神カップの方が格が上なんだからそうなるわな。

長々とこんなことを書いたのはあなたが調教師ならこれをどう考えますか?っていう問いを立てるためなんだ。

私が3歳馬を管理していたら、スワンSTを取りに行く。例年のように、京都か阪神かという馬場の適性を比較検討する必要はないから、考えるのは単純に負担重量の有利不利だ。相手関係を考える必要もない。今年はどうせ同じような馬同士の戦いになるのは明らかだからね。

2か月先には1kg差に縮まる古馬との重量差が2㎏あるうちに勝負をかけたいと、私なら思う。強欲な私なら連続で出走させて2つとも取りに行く。そんなチャンスってめったにないからね。今年はそんな強欲が許される特殊な年だということを念頭において予想しなきゃだ。

逆に管理しているのが古馬だったら、スワンSTを「あわよくば」の思いでたたきにして、阪神カップに重点を置く。今年はそんな「あわよくば」という妄想が許される特殊な年でもある。

推奨馬 ⑰ダノンマッキンリー(55 松山)
※枠順確定後に馬番追記

長々と垂れ流した屁理屈のように、今年のスワンSTは3歳馬有利と仮定して考えたい。

3歳の出走予定馬は、以下3頭。
(人気は©netkeibaのAI予想より)

オフトレイル (55 武豊)
5人気想定 24ラジオNIKKEI賞(G3福島1800)
クランフォード(53 西村)
1人気想定 24豊明ST(3C中京1400)
ダノンマッキンリー(55 松山)
6人気想定 24ファルコンST(G3中京1400)

24スワンST 出走馬上位人気
(©netkeiba AIによる予想オッズ)

クランフォードは確かに速い。西村もうまくなった。特に逃げ、先行馬では信頼度が増す。53kgなんて反則だろ。1人気が想定されるのも納得だ。

だがしかし、である。上級条件の京都1400ってのは外回りなんだ。スピード重視の仕事が評価される内勤のスタッフではなく、売上というノルマを粛々と達成する実績が評価される外回りの営業さん。そんな営業タイプのお馬さんを見つけるコース。

できる営業って、普段はさぼっているのにちゃんと種まきして期末に成果を刈り取る。これを毎期毎期繰り返す。期初、期中なんて何してるんだかわかったもんじゃない地道に提案活動をして信頼関係を築き期末にドーンと成果を上げてくる。

競馬にたとえると、道中は死んだふりして、直線で気合入れて、ゴール直前で帳尻を合わせる。京都1400外回りコースってのはこんな営業タイプのお馬さんにこそふさわしい。特に今の馬場はそんな方向に振れている。距離は全然違うけど、先週の菊花賞でも外伸びだったでしょ。

そんなコースを直線で差してくるのがダノンマッキンリー。道中かかる癖のある同馬にとって、早いペースでレースを引っ張ってくれるクランフォードの存在が有利に働く。松山がひょっとすると前に付けるんじゃないかという心配は残るけど、陣営がちゃんとオーダーすれば大丈夫だし、私からもLINEを入れておく。

もう1点。外を回せとも伝えておく。この馬の好走条件はのびのびと走れる外を回すことにあるからね。営業タイプは、自由にのびのびやらせることで成果を出す。間違っても内に閉じ込めちゃいけない。長い時間内に閉じ込めていたら=机に座っていたら必ず「かかる」。

じゃぁオフトレイルはどうなん?ってか。

武さんという御曹司が乗る馬なんて、スタッフタイプか営業タイプかってそんなゲスな視座で検討するのは失礼に過ぎる。何もしなくても出世街道に乗ってるエリートなんだから、どこでやる気になるか予測なんてできやしない。やる気になれば来るし、ならなければ来ない。This is the Raceと割り切るしかない。そんな割り切りもまた、複雑性を旨とする競馬に向き合う際に必要な知性のひとつだ。

錦秋の京都という鮮やかなイメージとは真反対の泥臭い営業タイプのダノンマッキンリーが、坂を下った直線を鮮やかに差してくる。傾きかけた淀の西日がその鮮やかさを後押しする。

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まだ水曜日の早朝だけど、今のうちに書く。よほどの調教ミス、よほどの馬場の悪化、よほどのゲート運のなさ。そんなよほどがない限りこんな考えでレースに向き合う。

※(枠順確定後の追記)
おあつらえ向きに大外枠になった。これは不利ではなく有利そのものだよ。

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