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【レースレビュー(複勝的中🎯)】24ジャパンカップ~ドゥレッツァ(7人気2着)~
展開は魔物だねぇ。
いやね。レース前の巷の予想は速い時計がどうしたこうしたって2:22.0~2:23.0あたりの数字を目途にしたものが多かったじゃん。ところがどうよ。勝ち時計2:25.5って、誰がこんな遅いペースを予想してたんだよ。もちろん私もその意味では節穴。
だけど、そんな数字なんていつだって結果論。競馬の本質でもある複雑性の表れにすぎないからね。
結果的に、自分だって欧州勢は速い時計に対応しきれないって見込みで予想をしていた。時計の面では見込み違いがあって結果オーライにすぎないけど、競馬予想ってのは時計だけじゃない、数字だけじゃないって再三ここで言ってることの証明にもなったレース。
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こんな予想をしていたんだ。
ビュイックがもう少しうまく乗れば勝てたかもだけど、まぁ仕方がないんじゃね・・・と一種のすがすがしさの中で24ジャパンカップの反省会は始まったんだ。
(1)さすがのジョッキー
残り500でビュイックの手が動いたから焦ったよ。持たないんじゃないかってね。一方では、この時計だから前が残るという確信と。いろんな感情がないまぜになった面白い直線だったよ。500メートルを叱咤激励し続けたさすがのビュイック、さすがの武豊。瑠星も3歳馬でよくやったよね。
全頭無事にゴールできたのもよかったし、馬券も取れて楽しめたという意味では十分なんだけど、もう少し何とかなったんじゃないかって思いも残る。そう。ドゥレッツァは勝てたんじゃないかってね。相手が悪かったと言えばそこまでなんだけど。
直線で馬場の悪いバリ(バリエーションルート≒進路)をとったがためかドゥレッツァは、最後は右鞭を打たれながらも右にヨレまくっているけど、直線に向いたときにドゥデュースが取ったバリに持ち出せていたらなんとかなったのかもって思うんだ。
そう。すべて反知性のタラレバだよ。それを承知して書いてるんだ。スローペースを見込んで向こう正面でポジションを上げたところなんか、勝負服も同じ、鞍上も外人ジョッキーってことで17ダービーのレイデオロを思い出したほどだったから。
あのダービーと同じように、⑩はどこにでもバリを取れる有利性を持ちながら直線に入ったんだから、あのときレイデオロが取ったのと同じバリ取りしてたらなんとかなったんじぇね、ってこと(PVを見直してほしい)。
ジョッキーのバリ取りひとつで結果は変わる。そんな当たり前の複雑性には、あらん限りの知性を駆使して真摯に向き合うだけだけ。それが競馬に対するリスペクトなんだろうって思いを新たにしたよ。
(2)来年の予想に向けての注意点
来年の予想に向けての注意点としては、定量規定のレトリック。先に上げた24京阪杯のレースレビューでも書いたんだけど、負担重量の変更に伴ってある傾向らしきものが見えてきてるんだよ。無料版のここでは詳細は書けないけども、ルメールの⑨チェルヴィニアに重きを置けなかったのは54kgという絶対的な斤量なんだよ。2年前までの53kgだったら推奨していたかも。少なくとも馬券に入れていただろうね。
58kgという絶対的な定量戦で勝ち負けしてきた古馬牡馬を相手に、4kg 差は変わりないとはいえ3歳牝馬が54kgを背負って歴戦の古馬相手に勝ち負けできるには「何らかの利が必要になって来る」というのが推奨馬選定会議で出たクリティカル(本質的)な意見だったんだ。57kg(古馬牡馬) VS 53kg(3歳牝馬)という2年前までのレースと同じように考えちゃダメだってね。
そんなことがあるから、このnoteは巷によくある「過去10年の傾向比較」とやらには懐疑的なんだよ。もちろんそれだけじゃないけどね。
興味がある人は一度レース条件を見直してみることをお勧めするよ。来年からレースの名前や施行日が大幅に変わるって騒がれているけども、これまでだって同じようにいろんなことを変えてきたんだよ。そのことを知ってる一部の知性的な人は「何を今さら」って感想をもってることがわかるはずだから。
施行日の変更だけじゃない、別定規定が変わったり、ハンディ戦が別定戦になったり、その逆だったり。そんな与件がころころ変わっている(つまりこれも競馬の複雑性だ)中で、そんな曲折のあるレースに対して過去10年の傾向とやらを比較することって意味があることなの?ってことさ。
もちろん例外はあるよ。そう。絶対王者を決める「58kg(牝馬2kg 減)」の問答無用の定量戦。負担斤量が一斉に変更されて、条件戦だってその斤量で行われるようになったけど、その前からこの定量条件で行われてきたG1レースの勝ち馬こそが絶対王者だ。
このジャパンカップの施行条件も去年から古馬牡馬の負担重量が57kgから58kgに変わったけど、加えてこの1年はそのレースへの経路(負担重量の経験値)にも変更があるから、過去10年というくくりで一緒にはできないんじゃね?って、このnoteではそんな考えに立っているんだ。
その意味ではG1とはいえ57Kg で行われてきた2年前までのジャパンカップに、53kgの3歳牝馬が馬券対象になってきたのは必然と言えば必然だったんだよ。
話を戻す。変更初年度の去年は確かにリバティアイランドが54kgで2着。しかもイクイノックス相手にって結果を出しているけど、これは枠の利が多分にあってのもの。今年の⑨チェルヴィニアにはその利がない。リバティアイランドとの強さの比較においても若干劣る。これが2年前までの定量規定の53kgならたぶん違っていたんだろうと思う・・・という理路で推奨会議では⑨はオミットされたんだ。
いくら問答無用の定量戦であってもこうしたレトリックにも注意しなきゃってのがこのnoteのスタンスのひとつ。ドゥレッツァの推奨に際して、前走斤量61kgに注目したのもこんな考えからでもあったんだ。
(3)あれやこれや
ハッピーエンドだったねぇ。表彰式を見てつくづくそう思ったもの。武さんとイチローさんという千両役者がそろった歴史的な表彰式だったと思うよ。武さんが勝ってよかったんだと思う。
ちゃんと⑧のディープ産駒の引退式もできたし(こっちもかっこよかったね)、なにより松島オーナーが卒倒しなかったのがよかった。免疫ができてきたのかな。しかしすごい運を持ったオーナーだねぇ。
有馬記念はどうなるんだろうね。ドゥデュースには無事に種牡馬になってほしいよ。強くそう思う。どれくらい思うかっていうと、もうここで引退して種牡馬になってほしいとさえ思う。とにかく無事にだよ。
そうそう。このレースの推奨馬選定会議では、ゴリアットのオーナーのプロレス臭を疑ったことを書いたけど、こっちも当たらずとも遠からず。
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ゴリアット陣営の「勝った日本馬に敬意を表します。正直すまんかった」というレース後のコメントまでイメージできてしまうんだよ。
(【予想もどきのエッセイ】24ジャパンカップより)
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敬意を表してくれたのは日本馬だけではなくて、日本の競馬ファンに対してもそうだったのもよかったよね。「最終的に真の勝者は日本の競馬ファンです」って泣かせるんじゃねぇよ。
秋の東京G1シリーズが終わると一気に冬になるというのが最近の季節感。
チャンピオンズカップがおわるとすぐに有馬記念になって、東京大賞典になる。加えて、今週はタイトさんのファイナルレース。
寂しさが増すねぇ。