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【予想もどきのエッセイ】25シンザン記念~豊かな馬生と人生を~
なんで武さんなん?
想定段階ではそんな疑問をもったけど、枠順が決まった段階で「そうだったのか」って思ったんだ。
矢作さんは武さんのゲート運にあやかったんじゃね?ってね。しらんけど。
推奨 ②タイセイカレント(57 武 矢作)
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ゲートの運ってあるよねぇという感嘆とともに始まった推奨馬選定会議の様子を例によって特別に公開。
ゲートというキーワードを中心に検討が終始した件。
(1)レースの妙
よく言われるように、競馬って強い馬はたしかに強いけど、強い馬が集まったレースではちょっとしたアヤで勝敗が決まる。そのちょっとしたアヤの典型のひとつがゲート。当たり前すぎてここで書くことがはばかれるけど、あえて書いたのはレース当日が成人の日だから。
昔と違って、学生でもハタチになれば馬券が買えるってのはいいことなのか、そうじゃないのか。どっちなんだろうねって本題からそれた議論が盛り上がったんだ。
結論は「競馬を楽しめる人生は豊かなものだ」ってことだし、「武さんが現役のうちに競馬を始められるのは何よりだよ」ってことになった。然り。南関のレジェンドなんて晩節を汚しちゃったからね。なおのこと武さんの偉大さを実感するよ。
話を戻す。前走で大外枠の不運。今走は中京マイルの②ゲートという好枠。ここは、「競馬はゲートのことを考えることが必要だよ」という新成人に向けたJRAからのメッセージを伝えるためのレースとなる。
そんなことまで妄想できるほどに推奨馬には幸運のゲート。「そんな運を求めての武さんへの騎乗依頼だよね」と出席者が妙に納得したほどのジョッキー手配。
ここぞのときの武さんは、ゲート運に祝福される。長いこと競馬をやってりゃ誰もがそれに思い至るほどだよ。キズナのダービー。キタサンブラックの一連のレース。古くはオグリキャップの引退レースでのゲート(詳しくはここでは書かない)。
ここもゲート運を生かした武さんのレース脳を堪能すればよい。
(2)推奨馬の戦歴評価
前記(1)では、非科学的/非合理的に見える運の視点で書いたけど、出走馬全頭のレビューだって当然にやった。運だけで推奨馬を決めるなら、いろんな新聞に載っている占い師の予想に乗ればよい。
さて推奨馬の戦歴。なによりもの利点のひとつはコース経験。中京マイルでのデビューの段階で、陣営はおそらく中京開催の25シンザン記念までの絵図を描いていたはず。
デビュー戦は5人気という低評価をあざ笑うように西村Jが上手く逃げた。逃げる選択ではなかっただろうけど、スピードの違いを生かして逃げ切ったもの。直線では、教育的な軽い鞭が一発あっただけで伸びた。ゴール前を流さずにガチ追いすれば加速ラップだって刻めたであろうほどの末脚も確認できた好レース。
2戦目も当然に左回りの重賞のチョイス。幸か不幸か、道悪&出遅れという試練を経験できた。それなりにクリアできたのが収穫。勝ち馬との着差は、ゲートを改善することで十分に逆転可能。ここもまだ武史Jがレースを教えることを主眼としたもの。
3戦目の右回りG1戦は愛弟子を配置したもののレース前に終わったほどのゲートの不利。さすがにあの日のトラックバイアスで大外から馬券に絡むレースプランは無理。無理をさせると何とかなったかもだけど、そんな無理を強いる時期ではないのでまさに参考外。無事に今走につなげただけでよし。
今走はこれまでの教育成果をベースにひとまず収穫するレース。ここで収得賞金を加算して、春シーズンにタイセイ万全で向かうのが陣営の思惑。
(3)あれやこれや
左回りのレース選択のゴールはどこか。当然にダービーかNHKマイルCを思い浮かべるだろうし、ここを勝てばその線がいよいよ現実的になる。ノーザンだって当然にそこまで期待しているからこそのレース選択だろうよ。
そんな期待の中での武さんへの騎乗依頼。決してゲート運にあやかったものだけじゃないことを、ここをクリアすれば私たちは目にすることになる。
その名が示す「大成する潮流」に乗るための試金石のレース。やはりふさわしい鞍上は武さんだ。
レース当日は成人の日。昔は1月15日だった。
当日はラグビーの日本選手権の日でもあった。大学チャンプと社会人チャンプのガチンコ。旧国立競技場が毎年のように満員になり、新成人の振り袖姿がちらほらとスタンドにあった。
今思えば、着物組はトイレが大変だったんじゃってね。あの時代の古い狭い国立のトイレによく行けたものだよ。
光陰矢の如し。
ラグビーは、大学も社会人もプロとアマに二極化された。大学だってプロ並みの設備と体制がないと勝てない時代になった。昔のようなブカツの延長線上ではとても勝てない時代になった。
競馬はどうだろうね。
何がどう変わって、これから何がどのように変わっていくんだろうね。いずれにしても、豊かな人生のパートナーであり続けてほしいよ。