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【レビュー(複勝的中🎯)】(地方)24黒潮マイルチャンピオンシップ~ロードブレス(2人気2着)~

あちゃーやってもうた。

そんな吉原Jの叫びが聞こえて来そうなほどの出遅れ。インが顕著に有利な高知マイル。④のゲート利がこの時点で無くなった。

さすがにこれは厳しいぞ。雨が湿らせる馬場を考えると前にいなきゃ無理だろ。そんな馬場で8枠から絶好のバリを取ったのが勝った林くん。上手かった。馬も強かった。

このレースは名手×名手で勝つのは吉原Jだとこんな予想を書いた。名手だって出遅れることもある。これもまた競馬の持つ複雑性。

このレースで勝った林くんも遠征で鍛えられたんだよ。今も覚えているのが21金沢JBC。クラシックに12頭中11人気の馬でわざわざ高知から出向いた林くん。パドックで周回する彼の、心に秘めていただろう闘志とこんなデカいレースに乗れる高揚感が入り混じったかのような顔つきが忘れられないんだ。高知の馬なんかお呼びでないという空気感の中だったからなお凛々しかった。単勝575.4倍。吉原Jがミューチャリーで勝ったあのレース。林くんは人気のとおりに11着だった。それでも最後まで真剣にレースをした。最下位となった地元馬と勝負をするかのように。

このレースだけじゃない。去年もこの馬で佐賀の西日本ダービーに出向いている(6人気9着)。先日のJBCクラシックでも佐賀にいた。高知のダービー馬で堂々と勝負して負けた(8人気8着)。

こんな他場で揉まれた経験知の積み重ねが林くんの判断を知的にする。今日のレースがまさにそれ。

24黒潮マイルチャンピオンシップ結果
払戻金

24黒潮マイルチャンピオンシップで推奨馬の敗因を出遅れだけで片付けちゃいけないために開いた反省会より
(1)出遅れ
推奨馬④はスタートで終わった。まぁ仕方がない。1人気に推された③井上君の馬には勝つだろうということでの推奨だったが、ここまでの出遅れはさすがにキツい。よくもまぁ追いこんで来たものだ。この馬場、この展開で井上君③を差しての2着はもう仕方がない。次に期待。さすがにゲートは改善してくるでしょう。そうでなきゃ名門打越厩舎の名折れだからね。
そんなことよりも、会議が白熱したのは勝った馬に話が及んだときなんだよ。まるで「ハーバード白熱教室」(NHKが放映してサンデル先生がバズったやつ)かのように。以下で特別公開。

(2)この馬強いんじゃね?
40戦10勝(10-7-11-12)。マイルは5戦2勝(2-1-1-1)。
高知でビューした生粋の高知っ子。遠征は前記した佐賀に出向いた1戦のみ。派手な戦歴はないけども地味に強くなった。4歳にして40戦。今年18戦目の重賞勝利。無事これ名馬に重賞勝利という勲章が加わった。良かったなぁ。
すげぇよ。つえぇわ。向こう正面からのあのマクリで上がり最速。直線で抜け出したあとも1頭だけ脚色が違っていたものね。こんな馬がいたんだ。しかも不利な8枠からこんなレースができるなんて。後方で浴び続けたキックバックをモノともしない根性もいい。騎手共々に泥にまみれた初重賞おめでとう。
引き続き注目なんだけど、次にどのレースに出るんだ?さすがに重賞馬としてのローテを組んでもらえるのか、お休みをもらえるのか、それともこれまでどおりなのか。いずれにしてもこれからも無事に走ってほしいぞ。

(3)この騎手上手いんじゃね?
馬の強さばかりじゃない。騎手だって上手かった。確かに吉原④が出遅れたという運に恵まれた面もあっただろう。だけど、出遅れなきゃ④が位置したであろうインのポケットを8枠から促した⑩が瞬時に取った。この瞬時のバリ取りが勝因。誰が何と言ってもここに勝因がある。
高知のマイルのスタートだから、パトロールを見なくてもそのバリ取りが確認できる。何度見ても上手い。
上手かったのは、バリ取りだけでなくペースの読みも然り。向こう正面でまるでファイナルレースかのようなマクリを打ったからびっくりしたよ。これ重賞やぞ、垂れるんじゃね?って思ったほど。④吉原が上がっていったあとについていったんじゃなくて、自らの意思で促して出て行った。林くんはいつからこんな芸当ができるようになったんだ?あとでこっそり転機になったことを教えてくれ。大丈夫だ。誰にもしゃべらない。ここに書くだけだから心配ない。そんなことを思うほどに上手かった。
さらに、マクリを中途半端に終わらせずに最後まで馬を加速させた。吉原④より前でスパートして上り3ハロンが最速(39.3)って、さすがの吉原Jも2着(39.9)に持ってくるのが精いっぱいだっただろうよ。
中央ではよくやるミルコさんのマクリなんか、私は成功したのを見たことがない。必ず4コーナーで失速するのが常だから、今度ミルコさんに教えてやってほしい。弟ばかりが活躍してますます存在感が薄くなってしまっちゃってるからさ。

「24黒潮マイルチャンピオンシップ反省会議」資料より

しかしね。つくづく競馬って運に「も」大きく左右される複雑性のゲームだなと思う。このレースだってそう。直前に強くなった雨。ますます足抜きがよくなって利を得たのはどの馬だったか。さらに④の出遅れ。④がスタートを決めていたら勝ったのははたして⑩だったのか。8枠から逃げを打って沈んだ⑪。内枠だったらどうだったか。

そんなことを考えても仕方がない。馬券を買う私たちにできるのは「今日勝てなくても次に勝てるようになるためのヒント」を見出し続けていくことだけだ。そう。林くんがいろんな競馬場に出向いて、腕と知性をアップデートしているように。林くんだけじゃない、たらちゃんだって井上君だって。なんなら畑中さんだって。宮川さんなんか地方代表で世界とガチンコして来たんだぞ。遠征して腕を磨き続けるのは吉原さんだけじゃないってことを今日改めて実感したよ。

ここまで書いて気づいた。塚本君やマサチカ君の名前を挙げることができない寂しさに。だからもう寝る。

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