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【予想もどきのエッセイ】24重賞予想 菊花賞 ~今年も菊街道~

「トサキ差せ、トサキ差せ差せ、トサキ差せ」
おかしくなったのか?と言われそうだが、元々おかしいから平常運転だ。

ということで、菊花賞の推奨は16ヘデントール(トサキ)。

当たるときはもう週中の予想で当たっているからここで公開する。早目に公開すればするほど、VIEW数が上がっている現実もあることだしね。VIEW数が上がったことがうれしいんじゃなく、数ある中でこれを読もうとしてくれている人に届けられていることがうれしいんだ。だから早目に書いた。

しかしおかしいうれしいのは、秋華賞もアイルランドトロフィー府中牝馬STもレース後にも予想記事のVIEW数が上がり続けていること。多分、これを読んでくれている理屈っぽい知性ある人は、ここで書くような「読み物」を欲してくれているからなんだろうと思う。そう、予想というよりも「読み物」。だから引き続きこの路線で書く。ってか、元々この路線しかないんだけど。

ただ、路線変更が1点ある。戸崎の表示をカタカナにしたことだ。なぜならば、単にこっちの方が強そうだからだ。頼むぞ戸崎トサキ。戸崎なら16ゲートは不安だけど、トサキならなんとかしてくれそうだから不思議なものだよ。これも競馬の持つ複雑性を構成する認知の歪みの一種だ。

ところで、人気を背負って馬券にならなかった騎手はほんとにかわいそうな言われ方をすることがある。確かにお金を賭けている以上、信じた騎手が失敗したときには責めたくなるのが人としての心情だろう。ほら、日本語にいい言葉があるよね。「可愛さ余って憎さ百倍」。

だがしかし、である。ここの知性ある読者にはわかってもらえるとおり、馬券購入≒認知の歪みによる結果責任なんて自分で負わなきゃいけないもっともたるものだよね。

なのに、ハズレたら騎手を罵倒して自分の感情を満足させるだけでいいのか?責任転嫁して終わらせていいのか?そんな問いかけをしてみたいんだ。

それよりもやらなくてはならないことがあるでしょ?と。そう、やらなくちゃいけないのは騎手の罵倒ではなく、責任転嫁でもなくレースのレビュー。競馬に知性を見出したいなら、罵倒したくなる気持ちをレースのレビューに向け直してほしい。そこにはきっと次の勝利につながるヒントが見つかるから。言いたいのはそんなこと。

もう少し掘り下げてみる。

なぜそんな罵倒や責任転嫁で終わってしまうのかと冷静に自問すると、そんな気持ちをぶつける先がなかったからという理由と同時に、冷静さに導いてくれる満足な読み物がものがなかからじゃないのかと、そんな仮説に至るんだ。だってこの世界ってレビューの文化がないじゃん。

私が知性ある拙いレビューを載せ始めたのは、せめてその気持ちを和らげてほしいからであり、レビューを大切にしたい知性ある人のためでもあるんだ。

予想と違った結果に対して感情的になるだけでは何も得ることはない。かといってロジカルなだけだと、曰く言い難いおさまりきらない感情を満足させられない。だって俺たちって感情のある人間だもの。じゃあどうするか?というと「理と情の融合」。すなわちここで常々言っている「知性」ということになるなんだけど、そこに希望を見出したい。そんな人たちに向けて書く。

ここでようやく予想の話になる。
ヘデントールは単なる登り馬じゃない。春にクラシックを賑わせた馬と同じ扱いでいい。斤量差があったとはいえ、3勝クラスであんなレースができるなんて相当な器だよ。ひょっとしたらすごい馬になるんじゃないかとさえ思う。

ダービーを勝ったのは皐月賞を走らなかったノリさんの馬だったように、菊花賞を勝つのは皐月賞もダービーも走らなかったトサキの馬だったって結果になっていい。

4-1-0-1。唯一の着外となった青葉賞はノーカウントでいい。理由はあえて書かない。レースビデオを見ればわかるし、パトロールビデオを見ればもっとわかることだから。騎手だってひどい言われ方をしているけど、それは仕方がないことだってわかる。それほどもったいないレースだった。そりゃ1人気に推したファンは怒るし、陣営は怒るし、出資者はもっと怒るさ。ましてダービートライアルだもの。やらかしたのが日本語がわからないオショアでよかったのかもしれない。

その青葉賞ではいろいろとオショアがへぐった。スタートもそのひとつ。ルメールに手が戻ったあとの2戦でも町田特別では出遅れて、日本海STではヨレた。馬にも要因はあるんだろうけど、キッカケはオショアにあるんじゃないか。だってその前の1Cはルメールがちゃんと出してくれてたからね。

それはさておき。そんな中でも余裕をもって勝ち上がってきたくらいにヘデントールは強い。まともに追えばどれだけ伸びるんだろうって期待を持たせる勝ち方だ。安心してほしい。そんな期待は日曜日には現実に変わるから。今年も日本海STが菊花賞への登竜門になる。日本海から京の都への道に鯖街道ってのがあるけど、それをもじれば菊街道だ。

杉本さんならこんなことを言うかもしれない。「今年も日本海ステークスからの菊街道。勝ったのはヘデントール」って。伝説の「菊の季節に桜が満開」からもう37年か。杉本さん。いつまでもお元気でと願わずにはいられない。

話を戻す。心配なのはそのスタートなんだけど、木村厩舎の腕利きスタッフがそこを放置するわけがない。ちゃんと修正してくる。信じたい。おまけに乗るのはトサキだ。安心してみていればいい。このレースもルメールをマークして差してくる。ちなみに、ルメールはヘデントールを捨ててアーバンシックに乗るんじゃなくって単なる契約縛りによる決定だという。信頼できる筋からの情報だ。

青葉賞にルメールが乗っていたら、ダービーに出ていたかもしれない。ただ、オショアがへぐってくれたおかげで回り道でもこの馬の強さがわかった以上、その収穫を喜びたい。

青葉賞のゴール後のシーン。JRAやネットケイバのレースビデオにも映っている。パトロールビデオでもちらっとわかる。そう、ゴール後にばてずに脚を伸ばした⑨ヘデントールの姿がちらっとだけど映っている。

大切なのはここなんだ。ゴールインした後の馬の伸び。レースで力を尽くしてゴールイン後にすぐに走るのを止める馬と、余力たっぷりにまだまだ走り足りないとアピールする馬と。そんな脚が残っているんだったらレースで使えよと言いたくなるけど、それを我慢して次に生かす作業に集中するのも知性のひとつだ。

後者の馬にこそ宝は眠っているのだから、知性ある人は罵倒したくなる気持ちを抑えて、自分だけが見つけたその宝を大切にすればよいだけさ。菊花賞ではそんな宝を推奨する。

「トサキ差せ、トサキ差せ差せ、トサキ差せ」。青葉賞でヤラれた人たちは、こんな言葉で応援して取り返せばよい。今年の菊花賞はそんなレースになる。もしそうならなかったら、トサキ戸崎を罵倒する気持ちをグッとこらえて私のレビューを待ってほしい。

「差せ」で忘れられない思い出がある。

娘が小さかったころによく競馬場に連れて行ってた。あるレースで「ゴトー差せ~!」と叫んだ私に「父ちゃん、いまなんつった?」と娘。「追い抜かせ~って言ったんだ」「ふーん」

素直な娘は、それからしばらくして小学校の運動会のリレーでお友だちをこう言って応援したね。「〇〇ちゃん、差せ!差せぇ!」友だち思いのやさしい子だから、そりゃ大きな声で叫んださ。

家に帰って母ちゃんに怒られたのなんのって。もちろん俺がだよ。

そんな娘にこの秋はじめてのカレシができた。

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