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「小さな写真館の作り方」

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2015年、佐賀市に築100年の古民家を改装した写真館をオープン。その経緯を追いながら、地方都市で小さなお店を始めたい人のためのノウハウを紹介しています。2020年5月に発刊の「…
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2019年9月の記事一覧

第9回 なぜ写真館だったのか?(その2・もし自分がお客なら)

前回、写真館を作った理由として「下請けではなく直接お客様と繋がりたい」というBtoBとBtoCの事業形態のお話をしました。 そして私が写真館をしようと思ったもう一つの理由。それは『自分が行きたいと思う写真館が周りになかったから』です。 当時作ることが決まったスタジオスペースで、どんな写真サービスを始めようかと考えていた時に『子供がいて、七五三や家族写真を残しておこうと考えた時の自分』を想像してみました。 「チェーンの子供写真館ねぇ……自分の子供にはキャラクター服は着させたく

第10回 なぜ写真館だったのか?(その3・写真館という言葉の価値)

「お仕事は何をされているんですか?」初対面の方によく聞かれる質問です。 私はこう答えます。 「佐賀で小さな写真館をしています」すると半数以上の人が「へぇ~……」と答えた後、「じゃあ、人を中心に撮ってるんですねー……」となり話はだいたいそこで終了です。 もし私が男女問わずモテようとするならば「フォトグラファーです」とか「フォトスタジオを経営してます」なんて言えば良いのかもしれませんが、私はそう言いません。(それも違いそうですが) それはなぜか?今回と次回は私が写真館をつくること

第11回 なぜ写真館だったのか?(その4・マイナスイメージは逆手に取れ)

前回「写真館」という言葉にはサービス内容がすぐに伝わるという素晴らしい価値が存在しているというお話と同時に、「古くさい」などのマイナスイメージも与えてしまうかもしれない問題があると書きました。 改めて伺います。みなさんは「写真館」と聞いてどうイメージしますか? 「重厚な作品・高級な額・暗いスタジオ・お堅い写真・入りにくい・おじいちゃんカメラマン・ジャケットにスラックス……」 じゃあ「子供写真館」のイメージはどうでしょう? 「明るい店内・可愛いアルバム・ぬいぐるみ・キーホルダー