名誉の行進曲
21-22 UEFA CL決勝トーナメントの対戦相手が"割り当てられた"。
幻となったベンフィカとの対戦だが、リスボンの赤い鷲はグループリーグで"クーマンが率いるチーム"に3得点をあげたクラブだ。
決して弱いチームではないし、むしろ油断から"アヤックスの悲劇"の再現になるよりであれば、モチベーションが保たれた方が突破の可能性は高くなると感じる。
"異例となる再抽選の結果"PSGとの試合になるわけだが、マドリーにとってはムバッペ問題を直接解決する闘いになる。
また、アンチェロッティ監督としては古巣と対戦となる。
ポチェッティーノの視点ではマドリーを倒せなければずっと無冠の監督と言われるようなものと表現も出来る。
対峙するのは"Paris Saint-Germain"所属の
・"アルゼンチン人タトゥーアーティスト"メッシ
・ゴロゴロ転がらなくなったディ・マリア
・元マドリーカピタンのセルヒオ・ラモス
・ラモスと同じくらいのカードコレクターヴェラッティ
・コスタリカ初のマドリー所属選手でありCL3連覇を最後部で支えてくれたケイラー・ナバス
・移籍金インフレの立役者ネイマール
そして"マドリディスタが獲得を夢みる"ムバッペなどのスーパースター達である。
負けられない闘いが2月にやって来る。
しかもセルヒオ・ラモスという元マドリーカピタンを敵として迎え撃つことになるのだ。
セルジョとの対戦は04-05シーズン、サンチェス・ピスファンでフリーキックから弾丸シュートをぶちこまれて以来となる。
この頃のセルジョはヤンチャな長髪イケメンだった。
ちなみに2年後の2007年冬にマドリーにやって来たイグアインはくるくるパーマで髪がふさふさだったし、マルセロの髪は"短い坊主"だった。
セビージャ時代は右サイドバックが主戦場だったが時折センターバックとして出場することもあったと記憶している。
攻め上がりと得点感覚はセビージャ在籍時からあったのは確かだ。
そもそも少年時代はフォワードだった。
師であるホアキン・カパロスが積極的に下部組織から生え抜き選手を器用していたこともあり、当時から期待の若手でもあった。
そのため、スペイン代表に招集されるのも早かった。
2005年3月26日、中国との親善試合から。
05-06シーズンからはマドリーに加入。"ワンダーボーイ"オーウェンがニューカッスルへ移籍したその移籍金のおかげでセルヒオ・ラモスが長くマドリーを支えてくれたことを思えば、オーウェンには感謝しなければならない。
04-05シーズンのみの在籍だったがオーウェン自身のパフォーマンスは非常に良かった。
また一足早く加入したセビージャ時代のチームメイトのジュリオ・バチスタという野獣がいたが、彼はマドリーでは真価を発揮出来なかった。
06-07シーズンには先輩であるレジェスと共にマドリー加入後、およびセルジョ自身初のリーガ優勝を経験。
なにより最終節までもつれた優勝争いでタイトルをもたらしたレジェスの功績は大きい。
残念ながらレジェスは1シーズンのみのレンタルの為ガナーズに変える予定だったが、何故かアトレティコに加入したのは苦い記憶だ。
それほどまでに彼は才能に溢れたドリブラーであり天才だった。
2019年6月1日。彼は突然、旅立ってしまった。
個人的には、未だになんとも表現できない感情になる。寂しいなのか、切ない、もしくは悔しいなのか?それでいてレジェスのプレーは本当にワクワクしたので、その時の高揚感が残滓として未だに心に刻まれているからかもしれない。
イエロが背負った4番を次に長く背負ったセルヒオ・ラモス。
どちらもマドリーから気持ちよく去っていったわけではない。
それでも、彼ら2人はマドリーの下部組織で育った選手ではないにも関わらず、マドリーを長年支えてくれたキャプテンである。
あの「Decima」を呼び込む同点ヘッドを決め、そして12年の呪縛から解放してくれたセルヒオ・ラモス。
彼の背負っていた4番はアラバに引き継がれたが、彼もまたPSGの4番としてマドリーと対峙することになる。
はやくも2022年2月が楽しみだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?