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暮らしが変わると家も変わる ~スウェーデンの柔軟な発想が生む豊かな暮らし~

皆さんは、海外での不動産購入についてどんなイメージをお持ちですか?
今回は、前回とは違った角度からスウェーデンでの不動産購入について、日本との違いを中心に書いていきたいと思います。

特に印象的だったのは、不動産購入に対するスウェーデンの人達の考え方の違いでした。

デジタル時代の住宅ローン  

まず、当時の私が最も驚いたのが、住宅ローンの申し込み過程。
日本では、何度か銀行に足を運び、さまざまな書類を提出し、担当者との面談をするのが一般的といった印象があります。

スウェーデンでは、そんな従来型の手続きとはまったく違っていました。

なんと、みんなそこそこの額のローンを組むのに、一度も銀行員に会わずに手続きが完了してしまうのです。
必要書類は郵送するか、メールでのやり取り。
分からないことがある場合のみ電話で確認する程度。

なんかどことなく不安な感じがしていた記憶がありますが、問題なく物件購入できました。

スウェーデンでも以前に行っていたであろう、対面での手続きが不要なことで、物件購入の検討がしやすくなっているようです。
また、必要書類の郵送やメールでの提出が可能なことで、時間や場所の制約も大幅に緩和。

このようなデジタル化は、不動産購入のプロセス全体を効率化するだけでなく、より多くの人に不動産購入の機会を提供することにもつながっているのかもしれません。

不動産価値の考え方

スウェーデンの不動産市場における特徴的な点として、不動産価値に対する考え方が挙げられます。
日本では「築年数が古い=価値が下がる」という図式が一般的ですが、スウェーデンではそうとは限りません。

もともとの建物の質が高く、適切なリノベーションがされていれば、築年数が経過しても価値はそれほど下がらないとされています。
長年このような状態にあったので、現在も多くのスウェーデンの人達がこの考えをもっています。
そのため、建物の本質的な価値を重視し、多くの人が新築か中古かということにとらわれずに購入する物件を選んでいる印象です。

ローン返済に対する柔軟な発想

日本では「住宅ローンは早く返済しなければ」という意識が強く、毎月の返済額を可能な範囲で多く設定する傾向にあるかと思いますが、スウェーデンではその考え方も大きく違っています。

毎月の返済額は利子に少額の元本返済を加えた程度に設定している人も少なくありません。

これは、すでに述べたとおり、不動産価値の安定性への信頼によるもの。
将来売却する際の価値下落をそれほど心配する必要がないという認識が、このような返済スタイルを可能にしています。

とはいえ、我が家は夫もどちらかという日本人のような考え方の人で、「借りたものは返す。できれば早めに。」と思っているよう。
このご時世、家を売りたいと思ったときに経済がどうなっているかなんて分からないので、我が家の返済は日本スタイルで行っています。

ライフスタイルに応じた柔軟な住み替え文化

また、スウェーデンの人達の住み替えに対する考え方にも違いが……。
日本では「一生住む家」として不動産を購入する人が多いかと思いますが、スウェーデンではライフスタイルの変化に応じて柔軟に住み替えを行うのが一般的。

パートナーができれば、とりあえずどちらかの家に引っ越して資金を貯めてから一緒に住む場所を探す。
さらに子どもが生まれれば、郊外のより広い家に引っ越すというように、生活スタイルの変化に合わせて住まいを変えていく人が多い印象です。

このような住み替えの際には、現在の物件を売却し、それで得たお金を次の物件の購入資金として活用することが一般的。
長年の不動産価値の安定が、このような柔軟な住み替えを可能にしています。

日本の住宅購入との比較から見えること

日本では、家の購入は「人生で一度の大決断」「失敗は許されない」といった重圧がある印象。
多額のローンを組むという重要な決断であるため、購入に至るまでには相当な時間と心理的なエネルギーを要することが多いように思います。

一方、スウェーデンの不動産購入は、もちろんある程度の手続きなどの煩わしさはありますが、日本と比べると気軽に検討できる選択肢の一つとして捉えられています。

デジタル化された手続き、物件の価値の維持への信頼、ローン返済の考え方、そして住み替えの文化。
これらが、人々の生活をより柔軟で豊かなものにしているように感じられます。

住まいは生活の基盤であり、同時に人生の可能性を広げる重要な要素でもあります。
スウェーデンの例は、より柔軟な住まい方、そしてそれを通じたより自由な生き方を可能にしてくれているのかもしれません。

現在の住まいを購入した時を振り返ると、「日本とは結構ちがうぞ!?」と改めて驚きます。

今回、スウェーデンのどちらかというと良い部分が強調された感じになりましたが、もちろん住宅購入時にちょっとしたゴタゴタもありました。

表があれば裏もあり、何事も両面ありますね。

スウェーデンに住む期間が長くなってくればくるほど、いろんなことに対して、はじめてだった頃の新鮮さが薄れてきます。

そんななか、今回のように当時のことを思い出しながら記事にできるのは、脳に結構いいのかもと思いながらまとめさせてもらいました。

また、こんな感じで書いていきたいと思います。


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