引っ越しが少しだけ楽チン!? スウェーデンの住まい事情と再発見した日本の素晴らしさ
前回はお散歩回でしたが、前々回まで、いつの間にかちょっとシリーズ化していたスウェーデンの住宅事情について。
今回もせっかくなので、その続き。
スウェーデンの住まいの特徴や引っ越し事情について、日本との違いを交えながら書いていきたいと思います。
備え付け家電が充実!引っ越しがラクになる理由
スウェーデンで暮らし始めて最初に驚いたのが、アパートや一戸建ての設備の充実ぶり。
日本では当たり前のように自分で用意する冷蔵庫、冷凍庫、オーブン、食洗機、さらにはクローゼットまでもが標準装備されています。
特に印象的なのが冷蔵庫と冷凍庫のサイズ感。
まず高さが日本の一般的な冷蔵庫より高いです。
今、自宅のものをチェックしてみたら、高さ190㎝でした。
私が一番上のものを取るときは、背伸びして取ってます。
また、住居の広さや想定される居住人数によって設置されるタイプが変わってきます。単身用のアパートでは、一台で上部が冷蔵室、下部が冷凍室という大型の冷凍冷蔵庫が一般的。
一方、家族向けの物件になると、同じサイズの冷蔵庫と冷凍庫が2つ並んで設置されていることが多くあります。
こんなにスペースいるのかな?とはじめの頃は思っていましたが、今では、だいたい我が家の冷蔵庫は7割方、冷凍庫は9割方埋まっている感じに。
大きなオーブンが備え付けられているため、自宅でパン類やシナモンロールなどを作るときには、その量が違います。
小麦粉のパッケージに書かれているシナモンロールレシピが60個分だったりします(笑)
我が家は、さすがに60個は焼きませんが、その半量の30個を焼いて冷凍庫で保存。なので、やっぱり冷凍庫は1台必要です。
さて、話を戻しますが、これだけいろんなものが標準装備されていると、引っ越しの際に大きなメリットに。
重たい大型家電を運ぶ必要がないので、引っ越し作業がかなり楽になります。
私自身、スウェーデンで4回の引っ越しを経験していますが、毎回この環境には感謝していました。
共用洗濯室のある暮らし
もう一つ特徴的なのが、アパートの地下に設置された共用洗濯室の存在。
設備がどのくらい新しいかにもよりますが、私が過去住んでいたアパートでは、予約制で専用キーをかざさないと入れないような仕様になっていました。
1回2時間使用可能で、大型の洗濯機と乾燥機が各2台ずつ設置。
日本の一般家庭にあるものよりかなり大きく、一気に大量の洗濯が可能。
特に乾燥機は、業者用のような掛けるタイプのものも別にあり、ブランケットやマットレスなどの大物も余裕で乾かせるありがたさ。
私の場合は、洗濯室のあるアパートに住んでいた時も、自宅にも洗濯機を購入して置いていましたが、週末の大物洗いは共用洗濯室を活用していました。(子供がいると、やっぱりいつでも洗濯できる環境がほしい)
平日は自宅の洗濯機で日常的な洗濯をこなし、週末に共用洗濯室で大物を洗うという使い分けができるのが便利です。
ちなみにスウェーデンでは、外に洗濯物を干す習慣は基本的にはありません。ただ、夏の気候がいい時などは、一軒家で大物をお庭に干しているようなことはあります。
うちの共用の裏中庭にも、洗濯ものを干せるようなものがポツンとあり、夏にはご近所さんがテーブルクロスやシーツなどを干していたりします。
食洗機があるのがあたりまえの環境
ところで、標準装備の中で私が少し苦手なのが食洗機です。
スウェーデンの食洗機は、キッチンの棚一つ分のスペースを占める大型サイズが一般的。でも、私は手洗いの方が好みです。
油汚れの少ない食器は洗剤を使わずにスポンジで洗い、油汚れのあるものは自分の目で確認しながら丁寧に洗いたい派。
私にとってはラッキーなことに、これまで住んだ場所には不思議と食洗器はついておらず、現在の住まいは、内覧会ではついていたのが、入居前に食洗器が壊れれたと連絡がありました。
引っ越し業者事情〜日本の素晴らしさを実感
引っ越しの話に戻りますが、スウェーデンでも当然引っ越し業者はあります。ただ、日本の引っ越し業者さんの丁寧さや効率の良さを知っている身からすると、かなり物足りなさを感じてしまうのが正直なところ。
例えば、友人の引っ越しを手伝った際の経験ですが、時給制で雇った業者さんが作業中に彼女だか奥さんと電話をしていたり(※あきらかに緊急ではなさそうな様子)、土足で新居に上がり込んだりと、日本では考えられない光景が……。
こうしたことは、こちらでは特に珍しくもないようで、夫もそのことが分かっていました。
そのため、我が家がこれまで経験した4回の引っ越しは、すべて自分たちで行ってきました。
大型トラックを1日レンタルし、夫の子どもたちの助けを借りて、備え付けの設備が多いおかげでなんとか乗り切ってきました。
日本の「当たり前」の素晴らしさ
スウェーデンでの暮らしを通じて、あらためて日本のサービスの質の高さを実感します。
これはもう、海外に住む日本人全員が感じていることと思います。
引っ越し業者さんの仕事一つをとっても、その丁寧さ、迅速さ、効率の良ささは世界でも突出しているのは間違いないです。
時には「几帳面すぎる」と言われる日本の仕事への姿勢。
でも、海外で暮らしてみると、それこそが日本の誇るべき部分なのかもしれないとも感じます。
完璧を求めすぎる面があるのは確かですが、その真摯な仕事への向き合い方は、世界に誇れる日本の素晴らしい特徴の一つかもしれません。
日本のみなさん、みなさんが "普通" と感じているかもしれない仕事に取り組む姿勢は、世界を見渡すとビックリレベルです。
是非、休める時にはしっかりと休んでお客様だけでなくご自身も大切にしてくださいね。
スウェーデンでの暮らしは快適な部分も多いですが、時々こうして日本の良さを再発見する機会にもなっています。
両国それぞれの良さを知ることで、より豊かな視点で暮らしを見つめることができるようになったような気がします。