見出し画像

【論文読んでみた】COVID-19感染禍でのテレワークの急速な普及が組織のチームワークにもたらす影響に関する実証的検討(2021):縄田ほか

2025年3本目。毎日更新って苦しいですね!(苦笑)
今回は授業で紹介された論文でございます。

縄田健悟, et al. COVID-19 感染禍でのテレワークの急速な普及が組織のチームワークにもたらす影響に 関する実証的検討: 感染拡大の前後比較. 産業・組織心理学研究, 2021, 35.1: 117-129.


ひとことで言うとこんな感じ

コロナが始まって、周到な準備などなく、突如テレワークが導入された企業は多い。
そこで、チーム・バーチャリティ研究の視点から、コロナ禍で急速に普及したテレワークが、特にチームワークに対してどのような影響が出たのかを検討するもの。

チーム・バーチャリティとは?

地理的に遠隔した場所から、PCやインターネットなどのテクノロジーを用いてチーム活動を行っている程度のこと。
もともとはバーチャルチームという概念があったが、次第にバーチャルと対面を対立的な二分法として捉えるのではなく、その程度を表す概念としてチーム・バーチャリティが生まれた。

研究の進め方

電気機器メーカーの開発技術職のチームを対象に、2020年1月辞典のデータと2020年5月のデータを用いて、コロナ事前と事後の変化を検討した。

統計の復習を兼ねて、メモ。

まずは測定項目の検討。
測定項目は、チーム・バーチャリティ、テレワーク比率、
チームワークに関する変数としてチーム・パフォーマンス、チーム・プロセス、リーダーシップ、チーム・メンタルヘルス。
これらの級内相関を見て、全項目ともチーム単位での集約が必要と判断された。

研究の結果

  • 対象チームについては、コロナ前後で、テレワークの普及がすすみ、チーム・バーチャリティも高くなった。

  • コロナ前後のチームワークを比較すると、チーム・バーチャリティは高まったがチームワークの各種変数は変化がなかった。

  • 変化量同士の相関では、チーム・バーチャリティと連動したチームワークの変化はほぼ見られなかった。ただし、チーム・バーチャリティの「地理的分散」が「目標共有とフィードバック」「対人関係の良好さ」に有意傾向の生の方向の関連性があった。

  • 事後データのみの分析によると、テレワーク比率が高く、テクノロジー利用ができているチームほど、チーム・パフォーマンスが高く、目標共有ができており、チーム・ストレスが低く、リーダーシップが良好。

  • なお、対象チームはもともと社内で分散して仕事をしており、「社内テレワーク状態」であったこと、開発職でICTに長けていたこと、コロナ禍という特殊事情があったことには留意が必要。

私なりに感じたこと

弊社、これまでは最低年一回出社すればOK(PCの大型アップデートのため)だったのが、この産休中に、週数回の出社が義務付けられたらしいんですよね。。。

この論文を広めたいくらいだ(真顔)

いいなと思ったら応援しよう!