備忘録:Liminal初GMの覚書
言わずもがなですが、ルールブックの分厚いシステムは自分用のサマリー必須ですね。
さて、8/5と11にLiminalのセッションを企画し、ちょうど一つ目(8/5の方)が終わりました。
はじめてのシステムでうまくGMが務まるかドキドキでしたが、参加されたプレイヤー様の様子を見るに、無事Liminalの世界を楽しんでいただけたようです。
海外発TRPGなので日本製のTRPGとは異なるざっくりとした作りですが、その分他にはない持ち味があるシステムです。
今回はGMやってみようかな? という方に向けて、私がGMをしていて感じた事を備忘録として書き残してみます。
なお、あくまで個人の所感であり、GMの仕方は卓の数だけあります。正解があるものでもありません。
ここで書いてた事を「○○はこう言ってた!」なんて他卓に持ち込まないよう、お願いしますね!
セッション準備編
クルーの相談はGMも事前に見ておくと楽
PCやクルーの設定自由度が高い分、Liminalは必然的にある程度GMのアドリブが求められます。導入ひとつとっても、クルーの拠点や組織との関係次第でまったく情報経路が異なるでしょう。
今回はオンラインセッションなので、Discordのチャットでクルーの設定を話し合ってもらい、様子を見ながら「ここはこうしようかな」と事前に対策を練りました。
あまりにアドリブ範囲が広いとシナリオのハンドリングが効かない・アドリブに必死で情報を出しそびれる(致命的)ことが起こり得るため、事前に予想できる部分は決めておいて損はないでしょう。
特に大事なのは、依頼人の話や事件のあらましがどういった経路でPCの耳に入るかです。普段は個別行動のクルーだと情報共有にも時間がかかるので、全員が一堂に会する場面で事を起こしてもよさそうです。
どのような形でフックを設けるかは、公式シナリオの「Faceless Faithless」が詳しいです。ぜひ一度ご覧ください(なんと無料です)。
ルールは迷いやすいところから確認する
ルールブックは286ページの大ボリュームですが、設定資料がメインなので実際のルール部分は少ないです。
とはいえ、全体に散らばるルールをリアルタイムに確認するのは大変なので、必要なことはメモしておく方がいいでしょう。
私の場合、技能判定と対抗判定、精神力の扱いの他に、戦闘処理もテンポが悪いと萎えてしまうのでスムーズに出せるよう控えていました。
PDFは重たく呼び出しに時間がかかるので、テキストファイルにまとめていたのは正解だったと感じます。
シナリオの情報も読み上げるだけでは記憶に残りにくいので、読み上げたヒントをココフォリアの情報タブ・スクリーンパネルの両方に貼って共有しました。特に謎解き要素があると、あとから見返せるのは大事ですよね。
お部屋
今回はあまり凝らず、公式のお部屋セットをそのまま使いました。慣れないシステムだと装飾に凝るより、肝心のルール周りを覚えておきたかったので優先順位を下げた形です。
キャラ立ち絵は絵が描けないので、その場のみの公開ということでAI生成のnijijourneyに頼りました。Liminalは即席でNPCの登場を求められることもあるので、ある程度はイラストなしでも仕方ないかな、と思います(そういったアドリブが楽しいシステムでもあります)。
本番編
導入は関係性を築く大事な場
私はどのシステムでも、導入の場面はゆっくりロールプレイをしてもらうことにしています。
ここでPC同士やNPCとの信頼関係が不十分だと後の情報共有がぎこちなくなり、シナリオが機能しなくなるからです。
特にLiminalはクルー同士の絡みを期待される方も多いので、見ていて楽しい部分でもありました。あとはチュートリアル的に、シナリオに影響しない判定を交えてみるのも楽しいですね。
シナリオにない所も歩いてもらおう
多くのシナリオでは事件解決のため、PCたちが調査行動をとることになりますが、イベントが発生しない場所に行きたがることもあるでしょう。
今回はPCたちの行動を制限するのでなく、「行けはするけど得られる情報は薄い」方針でマスタリングしました。
何かがいた痕跡はあるけど特定するにはあまりに手がかりが薄い、既に得られた情報と同じくらいである……などです。
時系列が明確でイベントがトントン拍子に進むようなシナリオに慣れていると、地図のないところを歩かれるのは内心焦るかもしれませんが、プレイヤーにはGMの思う以上に情報が見えていません。
ただ、ここでプレイヤーに報いようと次のイベントで出すはずの情報を出してしまうと、時系列が大きく崩れてしまいます。
GMとしては徒労感を覚えないようヒントを出しつつ、情報の濃度がより濃い場面へ移行を促すと、シナリオが破綻せずに済むでしょう。
また今回は実行できなかったのですが、LiminalならではのTipsとしてヒントに代わり、リアルロンドンの観光要素を入れてしまうのも有効な手です。
シナリオとは関係ないですが、とGMの手を明かしつつ、隠れた観光名所などを出してあげればきっと喜ばれるでしょう。
このあたりはMontroさんの配信とか、
あるいはLiminalのサプリメントと名高い地球の歩き方などを見てみるのもよさそうですね。
情報整理の時間をとろう
謎解き要素が多いシナリオの場合、それまでに得た情報から濃厚な線とありえない線をプレイヤーが整理する必要が出てきます。
これを見越して、シナリオ中のどこかで拠点のような場所に戻る(あるいは人目を避けて話せる)場面は用意しておくとスムーズかと感じました。
どの程度ヒントを出すかはGMの裁量とプレイヤーの熟練度次第ですが、口出しすぎると楽しみを奪ってしまうのでむずかしいところですね。
今回はTRPG歴の浅い方もいらっしゃったため、既に得た中で見落としているヒントがあれば、それとなくほのめかす形でいきました。
たぶん、ベテランが二人くらいいるなら気付くのが仕事! と黙っていたと思います……(笑)。
セッションを終えての雑感
まだ私もすべてルールを叩き込めたわけでなく処理で迷うところもありますが、セッションのはじめに「迷ったらルールを皆で確認して覚えましょう」と言っておいたことで双方のハードルが下がったのかな、と思います。
GMとプレイヤーの関係のとらえ方は人それぞれですが、私のスタンスは「一緒に物語を紡ぐ仲間」かなと思っているので、GMは絶対のジャッジではないよと伝えるようにしています。
その分、処理に迷った時はルール確認を手伝ってもらうなどして、書いてない部分は「今回はこうしましょう」と裁定すれば納得感も生まれやすいのかな、と。
ちなみにGMをしてみた感想ですが、各PCのやりたいことが存分にできるシステムなのでプレイヤーの満足度も高く、回しがいがあるなと感じました。
NPCのロールやアドリブ描写はそれなりに求められますが、それもある程度事前に決めておくことで対策はできるでしょう。
つたない所感でしたが、これを機にGMしてみようかな、という方が増えてくださることを願っています。
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