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mohair のくつした

つぎはモヘア1本取りで編む靴下。
amuhibi さんが新しく出した本の中に載っていたもので、ROWANのモヘアを1本取りでふんわり編む靴下。

左の巾着はamuhibiさんのを刺繍でデコったもの

パターン:amuhibi meets ROWAN掲載 mohair socks  
使用糸:ROWAN Kidsilk Haze   col.728
16g(136mほど)使用。

指定は3.5mmだけど、3.0mmの針で。
amuhibiさんのゲージは私には小さいので、針を下げて横ゲージに合わせ、縦は好みのサイズになるまで段数を増やす形にした。

本の中には、掲載作品に使用されているROWANの糸の紹介ページがある。このmohairについては、「芯糸がシルクで、ずっと靴下向きだと感じていた」とあり、すぐに編んでみたくなった。芯がシルクで切れにくいとはいえ、あのふわふわ感は数回の使用でへたるだろうし、何より1本取りは細くて心許ない。本当に靴下編んで大丈夫なのかな……

3.0mmで編む靴下はあっという間に完成した。
浮きそうなほどの軽い靴下に恐る恐る足を入れてみる。
足全体をモヘアのふわふわが包み込み、思わず頬がほころぶ履き心地。思えば、毛足の長いふかふかの絨毯、細かくサラサラの砂浜など、素足で感じる感触は意外にも繊細で印象に残ってるものが多い。
…この感覚、どこかでも味わったな、、、どこだったっけ?いつだったっけ?そうだ、UGGだ!
新品のUGGのムートンブーツに足を入れた時の気持ちよさ。ムートンが足全体を覆う安心感に似ている!

それならば…UGGブーツに合わせたらどうだろう?

もう何年も愛用して履き潰した(ここ数年は出番がなかったけれど、、、)UGGの履き心地が蘇ったみたい!
(……いや、これはちょっと言い過ぎかな…笑)

ともかく、このモヘアが足に纏う感覚はとても心地良く、その履き心地とデザイン含めてUGGブーツにピッタリだという発見は、「ルームソックス」として編んだモヘアの靴下を「外でも履ける靴下」に変えた。

ただひとつ。

脱ぐと一緒に脱げちゃうけどね。笑
しかしこんなに綺麗に脱げるとは!想定外!!笑

UGGに合わせたら外でも履いてみたくなる。
この日はまだ暑かったので、スニーカーに履き替え、少し(本当に少し。1000歩に満たないくらい)歩いてみる。

確かに足裏に、芯糸であるシルクを感じる。
でも編み地=布地として感じるのではなく、"糸の線"を感じるのだ。縦に何本も渡った細い線(針金のような)の上を歩く感じ。…当然だけど(少し残念でもあるが)モヘアのふかふかは存在を消している。
…歩き進めるうちに徐々に不安が増し、(そして暑い!woolの糸より熱を感じる)引き返すことにした。編んだばかりの靴下を1日でダメにしてしまうのは悲しいし、そもそもこのモヘアの靴下をわざわざ外で履く必要もない。
家に着き、恐る恐る脱いでみる。
爪の先がモヘアの薄い編み地を突き破りそうに、つま先部分が薄くなっている。これは…。。あのまま歩き続ければ芯糸が切れずとも、ゆるい目と目の間から指が顔を出してきそう。ただ芯糸が切れてしまいそうだという不安感は不思議と湧かない。それほどまでにシルクって強いんだな、とは同時に感じたことでもある。
その後も履き続けて試してみる勇気は出なかったため、一旦部屋で履いて、ある程度フェルト化したら外でも履いていくことに決めた。

最後に、amuhibiさんの本の中で、「きっとフェルト化していくけれど、その経年変化をも楽しんで欲しい」と書かれてあった。経年劣化ではなく、経年変化。
形あるものは時と共に劣化していくけれど、その、一見劣化と取られがちな「変化」が楽しめるものであること。そんな楽しみもこのmohair socksにはあるんだな、と嬉しくなった。少しづつ変わっていく様を楽しんでいこうと思う。そしてやっぱり編み終えた直後のふわふわが忘れられなかったらまた編もう。
ROWANのモヘアは50色もあるというし、極細のモヘアであればROWANじゃなくたって良い。

あぁ、そうそう。
この経験を通して、もし私が今後、外履き用のmohair socksを編みたい!と感じたら、その時は細めのwool糸と引き揃えで編むと思う。それなら安心してどこまでも歩けると思うから。

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