ラジオ聴きの衝撃　生島ヒロシさんの降板

　今回は急な投稿になります。

　1月27日、TBSラジオで早朝番組のパーソナリティの生島ヒロシ氏の降板が突然、発表された。武田砂鉄氏の発言じゃないけれど、TBSラジオの“箱推し”をしていた私には、結構な衝撃だった。とはいうものの、『おはよう定食』も『おはよう一直線』も熱心に聴いていたわけではなかったのだが…。

　降板理由は「人権方針に背く重大なコンプライアンス違反があったと確認したため」なのだそう。その中には当然のようにセクシャルな内容も含まれていたようだ。
　ただ(今日までネット中心に情報を見ているのだが)、どうも降板発表の当日まで(下手したら番組の放送中まで)、生島氏は自分の降板を知らされていなかったようだ。
　そこが引っかかる。

　私も時々放送は聴いていたし、それに加えてニュースやコメントを見て考え合わせるに、彼の昭和っぽいパワハラモードや発言の配慮のなさ、番組の私物化、という評価に心当たりはある。
　要するに、そう取られてもおかしくない発言を耳にしたことは、私とて一度きりではない、ということである。

　ただ一方で、そこまで振り切った生島氏を(かなり昔だが)安住紳一郎アナは、面白おかしいネタに加工してトークに仕上げていた。
　『小島慶子　キラ⭐︎キラ』にも乱入していたが、小島さんの度量でうまいトコあしらわれていたし、赤江珠緒さんの『たまむすび』にもやっぱり乱入していたが、そこには「しょうがないなぁ」と苦笑いながらも受け入れる、空気の温かみさえ感じられた。
　そういう対応のせいもあるかもしれないが、私にとってはこの人、「どうしようもない、典型的な昭和のオヤジだが、きっと憎めない人なんだなぁ」という印象があった。というかむしろ、そういうキャラクターで売っている人なのだと思っていた。

　ただそれは、私が遠く距離を置いているからこそ呑気に抱ける印象であって、現場の人にとっては当時でも「たまったもんじゃない」と思った人がいたのかもしれない。そういう想像もまた、できる人だった。
　だから今回の中居氏がらみの騒動を受けて、TBS側が急きょ、自社の見直しを行い、その結果、生島氏の降板があったとしても、それは仕方ない事情があるのかもしれないな、とは思った。

　だが、それでも胸につかえるものが残るのは、異様にすら感じられる、降板までのスピード感だ。
　発表当日の朝の放送ですら、生島氏はこの番組が7,000回を迎えることに触れていた。つまり、この時点では彼自身が降板を知らなかった可能性が高い。これは会社に出社した途端、「本日をもってクビです」と言われるに等しいのではないのだろうか。そうだとしたらこちらまで胸が詰まるような、ゾッとする話だ。
　TBS側は、本人と話し合いをした、とコメントしていたけれど、一体いつ、話し合いの場を設けたのだろうか。どうも1週間前、とか1ヶ月前、とかではなさそうだ。
　生島氏はTBS社員ではなく、フリーの契約で仕事をしているのだろうけれど、自分の会社も経営しているような人ではあるけれど、だからといってそういう解雇がいいとは思えない。生島氏の言い分は聞いたのだろうか…。
　十数年前、同じTBSラジオの昼の帯番組のメインコメンテーターが、書面一つでクビになった話を思い出す。当時はまだ規制が緩かったのか、そのコメンテーターはネットにTBSから渡された書面を載せていた。それ以前にそもそもなぜ降板なのか、視聴者には説明されなかったし、その文書にも明確な理由は書かれていなかった。
　もちろんこれは昔の話だから、今もそうとは限らない。当人同士にしか分からない事情もあるだろうから、良い、悪いの断定なんかもできない。が、あまりに説得力がなく、一方的でありすぎて、薄ら寒さを覚えた。

　それでもTBSに限らず、ラジオやTVのエンターテイメントは私を日々励ましてくれたり、笑顔にしてくれた存在だ。暗いニュースも飛び交う今こそ、力を発揮して欲しい業界だ。できるものなら悪く思いたくなんかない気持ちも本当。

　何かマズイ事が起こった時は、不都合を隠すために潰すのではなく、認めて改善する方に。
　どうかそういう、“いい方向”に進みますように。