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優秀な人は雇うのは「諸刃の剣」

会社やお店などで、求人募集の広告はよく見る。

求人する側としては、できるだけ優秀な人を雇いたいと思っているはずだ。

「飲み込みが早く、1度説明すれば理解する人」

「言われる前に、気付いて行動する人」 などなど。


実際には、そんな優秀な人ほど、よくある求人募集に、滅多に来る事はない。

でも、もしそんな人が来たら!?

経歴も高く、前職も大手企業、資格やスキルも持っている。

喉から手が出るくらいの求人する側にとっては、理想の人である。


でも、絶対に雇う前に、自問自答してほしい。

こんな優秀な人が、自分の会社に「今」必要か?

本当に「今」求めている人材か?


求人を出すと言う事は、その会社が人材不足というのは明白だ。

でも、どんな人間性でどんな性格を求めるかなどは、あまり話合わない。

募集に集まってくれた中で、良い人を選ぶというだけ。


こんな風に、予想もしてなかった優秀な人が来た場合の想定はあまりしていない。


では、どう対応すればいいか?

まず「優秀」でも、気をつけないといけない事がある。

最初に考えられるのは、「学歴は高いけど、仕事の要領が悪い」場合。

学校の勉強は出来るが、プライドが高い。

口は達者で、やる前に色々と講釈を垂れる。

この場合は、面接すれば、言葉の使い方や態度で、大体分かると思う。

こんな人材が来た場合は、こんな仕事が良いと思う。

「記憶や暗記」「難しい文章の読み書き」「数字的な仕事」が、得意な場合がある。

新しい設備の「難しいマニュアル」を読んで理解してもらったり、行政相手の補助金の申請を担当してもらったり、IT関係の設定やプログラムをやってもらったり。

想像やアイディア出しや、体を動かす事だったり、コミュニケーションする事だったりは難しいかもしれない。

でも、普通の人が、1時間もやったら脳がショートしてしまうような小難しい仕事は、無理なくできる可能性がある。



だが、本当に優秀な人ならどうだろうか?

人間性も良く、頭の回転も良い、コミュニケーション能力も高い。

非の打ち所がない人。

求人担当は、真っ先に飛びつくだろう。


しかし、ここにも「優秀」だからの問題がある。

雇う前に、しっかり考えてから決断してほしい。


1「離職率は高い」

優秀なので、覚えることや、理解する事もすごく早いが、故に仕事への物足りなさを感じるのも、人より早い。

優秀なので、どこでも通用するが故に、「興味の軸」で仕事を選んでいる可能性が高い。興味が他に移ると、離職する可能性があるのだ。


2「頼んだ仕事以上のことをする」

一見よく聞こえるが、優秀が故に、色々な視点で物事も見れる。

仕事全体を理解するまでは、やってもらいたいことをしっかりやってくれるが、会社や仕事全体を理解してくると、「効率」や「必要性」などの観点で考え動き出す。

会社のルールそのものも、「おかしいな?」と思ったら、ガンガン変えようとしてくる。


3「同業種で独立する可能性がある」

優秀が上に、理解や吸収が早く、会社や事業など、自己分析し、何が問題でどうしたら解決出来るかを、自分なりの答えを出し、新しい事業体で独立して、ライバルになる可能性がある。



少し極端な話かもしれないが、

企業や会社は「優秀な人が欲しい!」とよく言うが、「優秀=使いやすい」という訳ではない。

求める条件によっては、未経験でクセが無く、体力がある「高校卒の人材」の方がメリットが多い場合がある。

自分たちにとって、本当に必要な「人材の特徴」を理解することが肝心である。



これらを考えると、「優秀な人」は雇わない方が良いという考えになってしまう。

だが、そうではなく、「優秀な人の考え方」や「転職する理由」を、しっかり理解する必要がある。

優秀な人間も、一般社会では生きづらく、就職した大手企業で、こんな風に思われてしまったりする。


「日常的な仕事で手一杯なのに、「ココを変えた方がいい!」とか言って、余分な仕事を増やすな」

「あいつ若いくせに仕事ができるからって調子に乗りやがって」

「オレのポジション奪われないように、大切な仕事をやらせない」

「そんな細かい所こだわってどうするの?誰も見てないよ」

「会社の未来や時代の変化などの難しい話をすると「何言っちゃってるの?」と笑われる」


「優秀」だけに、妬まれたり、めんどくさがれたり。

自分に合った職場でないと、優秀さを発揮すればするほど、より生きづらくなるのである。

優秀な人間も、戦い傷付いてまで、大手企業で働くことの意味を見失い、次第に「事なかれ主義」になり、言われた仕事などを坦々とこなしていくようになってしまう。

そんな毎日が嫌になり、自分らしい働き方を求めて、転職を考えるのである。

そんな優秀な人材が、都市や大企業から地方に流れて来やすいのだ。



地方の「零細企業」「後継者不在企業」「衰退産業の企業」などは、未来へ向けて、会社の方針ややり方などを、根本的にひっくり返してでも「改革」が必要だと思っている会社は、ぜひこのような人材を雇用してほしい。

だが、それには「覚悟」が必要になる。

「仕事のやり方」「生産工程」「営業方針」「商品開発」など、さらには根本的な「会社の存在意義」。

触れられたくない部分へのメスを入れるくらいの覚悟がないと、優秀な人材を雇用する意味は無いと思う。

優秀な人材は、180度会社をひっくり返すようなアイデアを提案してくる可能性がある。

それを「無理だよ」と笑うのか? 真剣に受け入れ一緒に深く考えるのか?

長年かけてて衰退した事業が、単純な方法でV字回復するはずがない。

新しいアイデアや考え方を得ても、行動やチャレンジ、資金投資するのは、会社の「社長」や「社員」である。



優秀な人が持つ「新しい視点」「新しい価値観」「新しい考え方」を、会社全体で向き合う。

社内のマインドが変わらない限り、V字回復はあり得ないのである。


優秀な人材の持つ能力を活かすも殺すも、その会社の向き合い方ひとつなのである。


もし、あなたの会社に「優秀な人」が求人募集で来たら、会社の「変革のチャンス」だと捉えるのも、面白いと思う。

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