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ピンボケ日記2024夏

いい写真を撮る人は、息を吸うようにシャッターを切る。

とてもじゃないがあんなふうにはなれない。

どんなことにも向き不向きがあるのだ。歳を取ると諦めるのが早くなる。

諦めたらそこで試合終了である。しかし試合の終わりは次の試合のはじまりでもあるよな。

次の試合があるなら、と、夏の日にカメラを持ってでかけた。

最高気温は35.7度でした
手前にピントをあわせたはずが
夏ぼったい青空

大きくて重たいカメラは嫌なので、ものすごく小さくて軽い機種を手に出かけた。

どれぐらい小さいかというと、あるイベント時に田中泰延さんに「これぜんぜんピントがあわないんですよ」と言ったら「そりゃそうでしょう、そんな小さなレンズじゃピントなんてあいませんよ」と返されたほどだ。

もちろんピントはあっていない

この日は東京BRTという新しいバスに乗った。これに乗れば最寄りの停留所から新橋まで10分ちょっとで到着する。たいそう便利なのだがいかんせん本数が少ないのが残念である。

水平を意識したのにこの始末

この日は日本橋の三越までやってきた。子どもの頃は大好きだった百貨店だが10代後半から40代半ばぐらいまでは嫌悪感を抱いていた。おそらく権威とか伝統のようなものへの反発心だったのではないか。

でもここ数年はふたたび好きなスポットになってきた。特に目的もなく、この日のような暑い夏の昼間からふらっと冷やかしに入る。冷房がたいそう効いているし、いい匂いがします。

三越店内の巨大な天女像
伸治師匠、72だってよ

立川談笑師匠の『令和版 現代落語論~私を落語に連れてって~』を読んでからやたら落語のインフォメーションが目に留まる。

福徳神社というありがたい名前の神社
風鈴が涼しげであった
どうしたらピントがあうのか
これも風鈴

三越を出てから『タロー書房』という個性的な独立系書店に立ち寄った。

ここは書店ブックカバー蒐集癖のある僕にとってはよだれがでるようなカバーがある。どんなカバーなのかは後日のレビューをお楽しみに。

昭和を感じさせる書体がエモい

そのまま銀座線で新橋に戻る。新橋駅前ビルがとてつもなくディープでおもわずパチパチと撮ってしまったが、人が写り込んでしまった。

人が写り込んだ写真は個人が楽しむ限りはいいが、たとえばこういう場に載せるのは良くないのだろう。なんとなくそう感じる。

やはり写真はむずかしい。

大崎駅ホームを望む

夕方には大崎駅を経由して西小山へ。かねてから足を運ぼうと思っていたビストロに行く。

西小山といえば…

健在
残念ながら休業中

東京浴場とスパイスカレーの名店「小さかった女」である。

そしてもう一つ、西小山には最初に勤めた会社の同僚、まっちゃんが住んでいた。そこは病院を改装したアパートだった。

あるときまっちゃんは高熱を出して3日ほど会社を休んだ。心配した僕と先輩はまっちゃんのアパートにお見舞いにいったのだが、さすが元病院ということでタダナラヌ雰囲気が。廊下にかけてある鏡に「ロイコマイシン」とおどろおどろしい書体で書かれていて怖かった。

どれぐらい怖かったかというと35年経っても覚えているぐらい怖かった。

パン屋さん
またきます、西小山

写真が上手に撮れたら楽しいだろうなあ。

僕はおおざっぱでズボラな性格なので上手くなれるとは思えない。カメラは奥が深い。ホワイトバランスのことはわかったが焦点深度とかISOと言われるともうお手上げです。

ただ、いいな、と思った場面を残しておくことができるので、これからもできるだけカメラを持ち歩くことにしたい。

次の試合が秋ごろにあるといいな、と思います。


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