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映画「否定と肯定」の概要と考え〜歴史とアリストテレス〜


先日、非常に興味深い映画を観たので、その感想と共に皆さんにも紹介したいと思います。

この映画は、ホロコーストを否定するという立場から学術研究を行っていた学者を、批判的な本で糾弾した主人公が、その学者から名誉毀損で訴えられるという裁判劇を描いています。実話をもとにした物語です。


この作品を見る上でのキーワードは「歴史修正主義」、「陰謀論」、「歴史の証明」、「知るとは何か」、「表現の自由」でしょう。それらを通して、私たちは「歴史とは何か」、「真実とは何か」を問われ、さまざまな角度から自分たちの理解を深めていきます。


映画を観ながら思い出したのは、アリストテレスが語った実践的学の概念です。実践的学とは、「たいていの場合そうであること」です。

例えば、富や勇気のせいで身を滅ぼすものもいますが、たいていの場合、富や勇気は良いものとされています。

一方で1+1=2のようなものは必ず正しいので実践的学ではありません。


映画の中で見た事件を通じて、実践的学の領域にある「歴史」が、その揺らぎを悪用する者によって都合の良い形に解釈・流布される恐怖を新たに理解しました。


さらに興味深かったのは、同一の事件が異なる法域でどのように扱われるかという点です。

例えば、アメリカでは裁判においてホロコースト否定論者である訴えた人が、「ホロコーストはなかった」と証明する責任があります。

一方、イギリスでは、訴えられた人が「ホロコーストはあった」と証明しなければならないという事実が驚きでした。

このことから、否定論者が故意に訴訟の地をロンドンに選んだと推測されています。


以上、映画についての私の感想をお伝えしました。これを機に、一人でも多くの方が歴史について考え、その真実に向き合うきっかけになれば幸いです。

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