音楽演奏がうまくいくと言う事
これから歌や楽器で音楽演奏に入って行こうとするその直前
1番大切なこととは何か
これは上級者にとっては当たり前のことだが
あえて一言書いておこうと思う
緊張や不安に駆られていてはもちろん叶わないことである
それは演奏に入る何秒か前に
その奏でようとするすてきな音の流れが
既に自分の心の中では始まっていると言うことだ
耳の奥で鳴っているといってもいい。
逆に言えば、演奏に入った瞬間は
何秒か前に、心の中で(あるいは、脳の中で)流れた音楽を
改めてリピートしている
ということだ
演奏が始まってしまうと、
もちろん大きな区切りでもない限り、
音楽はどんどん進行していくので
この時間の二重性を感じることもない。
瞬間、瞬間に自分の内側から
音楽が流れ出てくるわけである
しかし、この場合も
自分の奏でる音を2 、3秒先に感じつつ、
進めているような気がしないでもない
また、歌の場合には
歌詞を間違えないで歌うという
少し次元の違った作業がある
私の場合、歌を歌うときには、
この歌詞を紡ぎ出すために、
先程言った時間の二重性
つまり少しずつ次の歌詞を先取りしていく
と言う作業を行っている。
これは暗譜で歌う時
誰しも行っていることと思う
自分の中にもう1人プロンプターがいるわけだ。
お芝居をする俳優さんなども
この時間の2重進行と言うことを感じながら
セリフを紡ぎ出しているのではないかと想像する
アドリブでは当然ながら、この仕組みから外れていく
その瞬間、舞台の上ではフィクションと言う建前が崩れ
虚構から現実へと引き戻されるのだろうか