お笑いの種類のひとつ
お笑いの種類のひとつとして、言ってはいけないことを言うというジャンルがあるように思う。何を今更と言われるかもしれないが、ここで強調したいのが、言ってはいけないことを言うことが目的であって、その思想が全くないということである。
名前を出すのは嫌いなので言わないが、某コンビなどは、それで大成功してると思う。
自分がやった例で言えば。
その日はお笑いのインディーズライブがあり、入り時間近くになると、芸人たちがワイワイと騒ぎながら、集まってくる。
そして、集まったあとに、主催者の点呼やライブの説明事項などがある。
主催者が、一通りライブの説明事項を言い終える。
「というわけで、みなさん、出とちりだけはないように。それでは開演までの間は自由です。よろしくおね…」
主催者が締めかけてるその瞬間である。僕が口を開いた。
「すいません。一点だけちょっといいですか?」
周りが僕を見る。
僕は普段からふざけ倒しているが、たまに真面目なことも言う。周りの芸人は、僕がなんらかの注意事項を付け足すのかなと思って見ている。
フリを説明すると、その前日に、映画エマニエル夫人で有名な女優さんが亡くなっていた時である。
「えー、新聞、テレビなど、報道でみなさん知ってると思いますが、先日、エマニエル夫人がお亡くなりになりました。こんな時ではありますが、僕たちにできることは、目の前のお客さんを笑わせることだけだと思います。
切り替えましょう!」
そう言って、僕は両手をパチンと叩いた。
周りの芸人はつっこむ。
「そんな関係深かったっけ、この人」
「このライブにゆかりないやろ。エマニエル夫人」
「エマニエル夫人をいじるな!」
「ツッコミにくいわ!」
これが、まぁ、楽しいのである。
これは、一見すると、不謹慎と思われるかもしれない。
しかし、僕はTPOに応じて、ガンガンやっていいやつだと思っている。
まず、エマニエル夫人のことを僕は好きでも嫌いでもない。
そして、死者をいじるようなボケはやってはいけないことという共通認識が、その空間の芸人すべてが持っている。
やってはいけないことをやるということのみを目的にしているボケなのである。
もちろん、ツイッターに書きこんだり、とかしてはいけない系統のボケであることはわかっている。
ある程度の、【みんな、まともだよね?】の前提のもとでやっているボケなのである。
というわけで、これも、そのひとつ(?)だから、良かったら聴いてほしい。
東名阪芸人リレーTUBE
ハクション中西【オープンカーについて語る】
https://youtu.be/vPQt-wEV5bk