短編小説【人見知り村】
【人見知り村】
むかしむかし、あるところに、村人たち全員が、人見知りをする“人見知り村”がありました。
村は、周囲を山で囲まれており、代々、その集落だけで過ごし、外部とほとんど関わりを持たないので、遺伝子的にも、人見知りする人しかいなくなっているのでした。
雪山で遭難をして、みんなが探しているような状況でも、大声を出して「ここだ!助けてくれ」と言うのが恥ずかしく、そのまま死んでいくような人たちが、この人見知り村では500年もの間、暮らしていたのです。
この村では、比較的人見知りがマシな人が村長をします。
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