添削29本目【侵略しに来た宇宙人のピンネタ】
さて、今回はピンネタが送られてきました。
まずは、元の台本を読んでもらいましょう。
【BEFORE】
【宇宙人】
我々は宇宙人だ。
この惑星を侵略するためにやってきた。
そう、侵略だ。
目的?
いやだから侵略だって。
具体的に何を目的にした侵略か?
どういうことだ?
(首をかしげる)
あー、支配とか略奪とか?なるほど。
ちょっとそういうのはわからない。
え?漠然と侵略と言われれも困る?
わかった。ちょっと上に確認する。
(触手を伸ばす)
【宇宙との交信の音】
あ、お疲れ様です。
私、本年度より侵略課に配属されました一年目のインベ田と申します。
課長にお繋ぎいただいてもよろしいでしょうか?
【保留音、メヌエット】
あ、課長?
なんかー、地球人が目的はなんだとか聞いてくるんですけど。
いや違うんすよ、我々はのくだりと、侵略しにきたよってところまでは伝えたんすけど。
そうっす、なんのための侵略?的な。
あ、マニュアルの32ページ?はい、はいすみません確認不足でした。
大変申し訳ありません。失礼いたします。
オホン。
地球人諸君、我々の目的は君たちに宇宙の英知を授け、
代わりに我が銀河連邦に加入させることだ。
どうだ、悪い話ではないだろう?
え?それは実質的な植民地支配じゃないか?
いや、そんなこと言われても・・・
ちょ、待ってくれ確認するから。
【宇宙との交信の音】
すみません、なんか地球人がめっちゃ武器とか構えてんすよ。
え?応戦しろ?いや、そんなん研修で教わってないっすもん。
(怒鳴られる)
すみません、やります、やりますよ。
(銃を構える)
あれ?あれ?
いや違うんすよ、なんもしてないのにレーザー銃動かなくなっちゃって。
え?充電?あ、切れてますね。
いや違うんすよ、UFO出たときは20パーくらい残ってたんで大丈夫かなって思ったんすけど。
(怒鳴られる)
いやだって、そんなん教わってないっすもん。
(怒鳴られる)
いつまでも学生ノリじゃ困る?
しっかりと宇宙人としての自覚を持って取り組みます。
すみませんでした。
あとはこっちで対応しますんで。
失礼します。
チッ、うぜー。怒鳴ってくんなよ高卒がよ。
いや、もう銃おろしてくださいよ。こっち丸腰なんすよ?
(銃声)
なんなんだよー、ちょっと我々の身にもなってくれよー。
我々っすか?いや今日は1人っすよ?
ああ、我々って名乗るのは基本的な宇宙人マナーらしいんで。
意味わかんないっすよね。
大体、このご時世にワンオペ侵略とか終わってますよね。
いやもういいや、星に帰って辞表出してくるんで、帰らせてください。
お疲れっした。
(袖にはけて→戻ってくる)
うわ、ヤベー。
あ、課長?すみません。
UFOに鍵入れっぱにしちゃって、迎えにきてもらっていいすか?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【ポイント解説】
さて、元の台本を読んでいただきました。
宇宙人が新略しに来た、というイメージと、研修中かあるいは“研修中の名札がはずれたばっかりのバイトくん”みたいな、“あるある”をリンクさせた台本ですね。
着想は良いと思いますね。
よく僕はリアリティの視点から厳しい目を向けますが、これはドリフの“もしもシリーズ”みたいな感じで、ギャグ的に見れますので、そこまでリアリティは気にならないかなとも思います。
いや、正直に言うと、僕の好みとしては、もうちょっと理屈付けして、設定を埋めていって、、、ってしたいのですが、それは好みです。
アンジャッシュさんのネタを「いやいや、聞こえてるやん!」とか「いやいや、わかるやん!」とか言うのは野暮(やぼ)というものです。
ちなみに僕は好みとしては、アンジャッシュさんのネタを見ても、リアリティないのは少しは気になるほうです。
好みの問題です。
さて、それはさておき。
ピンネタの宿命といいますか、仕方ない部分ではあるんですが、これ、もっちゃりするんですねぇ。
どうしても。。。
これが、まだ二人いて、コントという形式なら、やりとりの楽しさだけに集中して見れるんですが。
もっと言えば、トリオなら、三者三様の立場とも表現できますよね。
ところが、この宇宙人、地球人のセリフも説明しながら、自分の星の上司のセリフも説明しながら、やらないといけないでしょ?
それこそ“ワンオペ”で大変そうですよね笑笑。
ある程度ついてまわる、ピンネタの宿命なんですけどね。
さて、このピンの天才芸人ハクション中西が、この問題をどう解決していくか、、、。
と、ハードルあげた上で、、、
どうしよかな。
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