肉走り幅跳び
【肉走り幅跳び】
ここは、地域の公民館です。運動場が隣接しており、子供たちが陸上競技をしたり、華やいだ声が聞こえます。
そしてその可愛らしい声がキャッキャと聞こえる運動場に隣接した公民館の会議室の一室で小学校五年生のケンタくんは、コーチに詰め寄っていました。
「コーチ、僕の走り幅跳びの記録、おかしいと思うんです。ちょうど4メートルの記録が最近続いてて」
「うん、ケンタくんの記録は、最近4メートルジャストが続いてるね」
「もっと、僕、飛んでると思うんです。ちゃんと測ってくれてますか?」
「ちゃんと測ってるよ。測った上で4メートルジャストがここ三ヶ月ぐらい続いてるんやで」
ケンタくんは、どうしても納得がいかない様子です。
「ちょうどなんて、おかしいと思うんですよ。絶対もっと、飛んでると思います。友達も4メートル30センチぐらいは飛んでるように見えたって言ってます」
コーチはふと息をつきながら、言いました。
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