プチ虐待のススメ
26【解散】
ルービックは、二年か、三年ぐらいはやってたように思う。しょうたは職人気質でツッコミも下手ではなかった。うまかったと思う。
しかし、僕のボケ方が陰で、閉じているのに、ツッコミも閉じた感じのツッコミをするので、相性の問題があった。当時の僕は、メンタルが弱いし、ウジウジしていたので、相方を説得したり、コントロールするすべを持っていなかった。
何より、しょうたが笑ってくれたら、嬉しいぐらいのレベルで、お客さんが笑うことと相方が笑うことの区別が練習段階ではついていなかった。
何度も「もっとテンション上げてつっこんでくれへん?」と頼んだが、なんか、ふてくされてる感じで、前に進まなかった。
解散を切り出した時は「うーん、なんやろ。なんか勝手に言うてるけど、ちょっと待てや。俺はお前のことおもろいと思ってるし、やれると思うねん」みたいな感じだった。
前章で書いたような感じである。
聞かれたら「美味しいけど?」と言うタイプなのだ。
解散切り出したから「いや、おもろいけど?」みたいな。
半ば強引に、解散した。
しょうたは、シレッとしたいい奴で、この解散から数年後、YouTubeの動画撮影をしてくれたり、世話になることになる。
人の優しさっていうのは、色々な形があるもんだと、ホントに思う。