迫真BB部第6話解説&編集テクニック
※この記事は約10分で読むことができます。
はじめに
こんにちは、淫ク☆投稿者のさいとーです。気づけばこの解説シリーズも折り返し。物語はここから急展開が続き、もちろんその分重要なシーンも増えていきます。またつらつらと長いこと書いてるかもしれませんが、最後まで読んで貰えると作者は泣いて喜びます。というわけで、今回は第6話「Never let it go」の解説をしていきたいと思います。よろしくお願いさしすせそ。
※今後の展開に繋がる重要なポイントや明らかな伏線となる場面は敢えて解説していません。ネタバレなしで読むことができます。
解説/小ネタ
イニ義さんたちに別れを告げた後、田所とRUはなぜかお好み焼き屋に来ていました。そこでラジオから、幸月会が選挙により衆議院の最大議席を獲得したというニュースが流れてきます。そしてこのあとすぐ、幸月会の総統は首相に選出されることになります。
前回の解説記事でも話しましたが、この選挙というのは仕組まれていたものであり、幸月会はその前から既に政治の実権を握っていたのでした。
旅半ばにして一文無しになってしまった二人。そんな中、RUは田所に”この世を生き抜くためにサバイバルをしよう”と提案し、大胆な行動を取り始めます。本人曰く”手にいれる”というこの行為はどこからどう見ても犯罪ですが、どのみち2人は幸月会に手配されており警察に見つかれば身柄を確保される立場にありました。これから2人は世界そのものに抗いながら前に進まないといけないのです。
※またこの場面では、RUの強さや大胆不敵な様子がよく現れています。そんなRUのキャラクターやこの”手にいれる”という行為も、実は彼女の過去と密接に関わるものとなっています。
一方、KMRたちは相撲部の二人とゆうさく(アニキ)の元を訪ねていました。ゆうさくは、肉おじゃの言う通りのだらしねぇ大人でしたが、ニコニコ本社のことを尋ねると熱が入ったように様々なことを教えてくれました。
ニコニコ本社の実在性
※第5話では、ニコニコ本社は神聖な場所であり立ち入りが禁じられていること/ KMRたち登場人物はそのことを漠然と知っていることが明かされています。
しかし、それ以外にニコニコ本社は何のために存在するのか/何をしているのか、といったことは謎に包まれており、オカルトに詳しいゆうさくでもその真相は分かりませんでした。
ただ、新たな情報もありました。
ゆうさくは「ニコニコ本社はその存在を認識した時点で存在し始める。」と何やら難しいことを言い始めます。詳しくはゆうさくの彼女るりまの口から説明されていますが・・・これは、一人一人の意識/認識の違いが世界と結びついているということを表していました。(んにゃぴ)
例えば、リンゴという存在を知っているAさんと知らないBさんがいるとします。このとき、二人が見ている/感じている世界というのは少し異なります。Aさんはリンゴを知っている世界/Bさんはリンゴを知らない世界の中にいます。しかし、これはあくまで意識の世界の違いであって、現実では二人は同じ世界に暮らしています。
一方、この物語の世界ではその意識の違いによって一人一人が全く別のセカイに暮らしているというのです。(意識の違いによる多世界解釈のようなものだと思えばわかりやすいかもしれません。)そして、そのセカイの分岐を引き起こしてるのがリンゴ、つまりニコニコ本社なのでした。
そうです。この物語の舞台は現実世界ではなかったのです。
誰しもが目の前にいながら別のセカイを生きている世界です。当然、物事を認識するタイミングも現実世界とは異なり、人それぞれバラバラになります。どうして、何年も前から世界中がBBMの脅威に晒されているにも関わらず田所やBB部のメンバーは化け物の存在を知らなかったのか、という疑問も今なら分かるかと思います。
そして、この認識の差を生み出すという奇妙な点において、BBMとニコニコ本社は類似していることに気づいた政府はBCO(BBM Countermeasure Organization)という組織を作り、ニコニコ本社でBBMの研究を始めました。その目的は、突如としてこの世界に現れた化け物の謎を解明してその被害を減らすことでした。
難しい話が続いていたので、ここでくだらないものをひとつ。ゆうさくが食べていたこのカップ麺「蒙古タンメン高本」。これは、ゆうさくが大学を中退したことと、高本が高卒に見えることをかけた激ウマギャグになっていました。面白いですね。
ここは、二人が裏路地で束の間の休憩を取るシーン。田所は自分に続いて薬(精神安定剤)を飲み始めるRUに驚いた様子を見せます。
ずっと強い姿しか見せなかったRUの脆さを垣間見たことで、田所は闘っているのは自分だけではなく、彼女もまた何かを抱えながら前に進んでいるのだと気づきます。
また、この場でRUは田所に昔自分が小説を書いていたことを明かします。そして「田所の恥ずかしいエピソードと引き換えになら、その内容を教えてあげる」といつものように彼をイジるのでした。
何気ないように感じるこの場面ですが、段々と二人の心の距離が近づいてきたことが伝わる大切な一幕です。
突如鳴り響いた銃声の元に駆けつけた二人。そこでは、幸月会に関する間違った情報を流したという新聞記者(変態郵便屋)が集団リンチを受けていました。そして、幸月会の熱狂的な支援者たちはBBMによって彼を殺そうとしていたのでした。
その様子を見ていられなくなったRUは一人で彼を救おうと飛び出していきます。珍しくRUが取り乱していたのは、自分の過去と重なる何かを感じていたからかもしれません。田所は慌てる彼女を引き止め、二人で協力して救出を試みようと言うのでした。
第6話では、幸月会を信奉する者たちと組織に抗う者たちの二つの目線を描くというテーマを設けていました。
前半、ハイライトの最後では幸月会の職員MOTが田所とRUを路地裏に追い詰めて、彼らを排除しようと試みます。自分たちより幼い彼女がどうして幸月会に心酔して、怒り狂ったように自分たちのことを憎んでいるのかと疑問に思いながらも、彼女の傷を手当てするRU。しかし、MOTは彼らに耳を貸すことなく自死を選ぶのでした。
これまでのパートから一転して重い雰囲気が漂うこの場面は、自らの過去によって幸月会を信奉することになった若者としてMOTを描きました。母親をBBMに殺された彼女にとって、幸月会に抗う田所たちは化け物を擁護する悪のような存在なのでした。
また、変態郵便記者(変態郵便記者って何だよ)を救出する場面の最後では、MOTと同じように息子をBBMに殺されたことで幸月会を信奉する母親(原発姉貴)が出てきます。
第4話で幸月会職員HSIは「BBMはもはや災害である。」と言いました。化け物による被害というのは、田所たちが思っていたよりも遥かに深刻なものとなっていましたのです。BBM撲滅を謳う幸月会はそんな彼らの熱狂的な支持を受け、段々と世界の歯車を狂わせていきます。
逃げ込んだ廃墟の中で変態郵便屋は、”自分はこの前の朝刊で少し幸月会のことを書いただけだ”と明かしています。彼は間違った情報を流したのではありません。
幸月会のことを少し批判的に書いた彼の記事は、今や多数派となった支援者たちの目に間違ったもののように写ったのでした。(ちなみにこの新聞記事ですが、すでに物語のどこかで登場しています。気になった方は淫夢くんと合わせて探してみてください。)
奴らに弟を殺され、生きる希望を失っていた記者に田所は「共に手をとって闘い続けよう」と声をかけます。彼もまた失った大切な誰かのことを思いながら闘っていました。それは、隣にいるRUも離れているKMRたちだって同じです。
闘っているのは一人ではない・・・そう言うと田所は、彼に自分のお金や食料が詰まったバッグを渡すのでした。
編集のポイント
動画編集・・・というと、ついつい忘れがちですが、BB劇場を作るに際には音声編集も欠かせないものとなっています。いい映像が作れたとしても、キャラクターの声が小さすぎたりBGMが大きすぎたりすると肝心の動画の内容は伝わりにくくなってしまします。
そこで、今回は動画編集における音声編集のやり方と音量を整えるために意識するべきことについて説明したいと思います。
と偉そうなことを言っていますが・・・自分が投稿した動画の中にも、音量がバラバラで非常に残念な仕上がりのものがいくつかあります。そんな奴が説明なんかするな!と言われればそれまでなのですが、ここで淫獣のことだけを書いて終わるのもなんか寂しいので、同じ失敗を繰り返さないためにも反省的な意味も込めて解説をしていきたいと思います。
①音声素材を調整する
まずは、一つ一つの音声素材の音量を調整していきます。会話パートなら台詞がBGMに隠れないようにバランスをとります。一方、ハイライトなどあまり台詞がない場面ではBGMを少しだけ大きくします。
人それぞれ好みはありますが、自分はまず先にBGMを入れてから台詞を乗せるというやり方でほぼ全ての動画を作っていました。
②全体の音量を均一に揃える
一つ一つの素材の音を整えたら、全体で聞いた時に音量の差が生まれないように音を均していきます。(簡単そうに聞こえますが、実はこれが音声編集の一番難しい部分です。)この作業をするとき、まず基準となる音量のポイントを一つ決めます。
そして、場面が移り変わるタイミングや作業を続けている途中で、今作業をしている部分が基準の音量より大きくないか(あるいは小さくないか)を定期的に確認します。
※重い動画を編集する際は、パソコンのファンの回る音によってこの音量のばらつきに気づけないことがあるので、音声編集中はできるだけイヤホンかヘッドフォンをつけることを推奨します。
第2話「思いを馳せる者たち」編集中はイヤホンをつけなかったせいで、動画の前半と後半で音量の差がとんでもないことになってしまいました。
③投稿用の音量にするために再度出力する
動画全体の音量が均一に揃ったら、一度動画を出力します。しかし、このままでは動画サイトに投稿したときに他の動画と比べて音が小さい(もしくは大きい)ということが起きてしまいます。
そこで、出力された動画を自分で視聴してみて音量が動画サイトの他の動画と比べてどうなのかを再度確認します。音が小さすぎる(もしくは大きすぎる)ことが分かったら、その動画をもう一度編集ソフトに読み込んで音量を整えてから再出力します。(出力を繰り返すと音質は下がっていくので注意してください。)
ジャンルイジ・ウンコマンコ兄貴「やったぜ。 投稿者:変態糞365日」
動画を二回出力しないといけない分少し手間はかかりますが、見やすい動画を作る際には効果的なやり方だと思います。また一度自分の動画を見る際には、編集ミスがないかどうか/テンポが悪い所はないかといったことも同時に確認できるので一石二鳥とも言えるでしょう。
淫夢くんを探せ!
さて、今回淫夢くんはどこに隠れていたでしょうか。
難しすぎて作者自身もどこにいるのかよく覚えてないくらい難しくなっていますが、気付いた人はいるのでしょうか。
正解は・・・こちら!
RUがチンピラ(KBSトリオ)からお金を手に入れた場所・・・三宮の歓楽街に隠れていました。
おわりに
以上、第6話「Never let it go」の解説でした。幸月会やBBの謎がさらに深まり暗い雰囲気が漂う一方、田所が少しずつ前を向いて成長する様子が伝わる回になったのではないでしょうか。
その反面、どんな時も明るく振る舞っていたRUは、段々と落ち込んだ様子を見せるようになります。次回は、そんな彼女の過去が明らかになるかもしれません。それでは、次は第6話の解説で。フラッシュ!