世界観があるカフェの作り方
カフェという大切な場所
カフェって、すごく大切。
話す場所
仕事をする場所
一人で考え事をする場所
など、様々な人生模様が繰り広げられるのがカフェだ。
だからこそ、求められるハードルがすごく高い。
酔っ払ってしまえばわからないというような場所でもない。
意外とみんな、振る舞い方にも気をつけるのがカフェという場所。
居心地の良さはさまざま
大きくて開放的な場所であれば、一人で居ても気にならないことがあるだろう。大きな中に埋まってしまえるから、一人でも耐えられる。
一方で、大きな空間では気になって仕方ない人もいるが、また一方で小さな空間では気まずいという人もいる。
だが、カフェという空間は大きかろうが小さかろうが必ず居心地が良くてはならない。だって、カフェには居心地の良さを求めてくるのだから。
だからカフェのデザインは難しい。
女性が一人で仕事もできる場所
今回のコンセプトは、女性が一人でも仕事ができる場所。
そこで考えた・・・
集中できる環境
そこに来ることで気持ちが上がる環境
ちょっと息抜きもしたくなることもある
そこに行くとなんだか綺麗になるような気も味わいたい
そこを知っていることで、ちょっと自慢になる空間
といった要素が必要だよね。。。
いやあ、なかなかなかなかハードルが高いぞこれは。
と思いながら頭の中で、自分ごとの体験としてシュミレーションを繰り広げる。もう何回も何回も。いい思いをしたり、悪い思いをしたりながら、そこに訪れる人の気持ちや目線になり、RPGゲームをするかのように考える。
そしてできた空間が、以下になる。
ちょっと気になるあのお店
お店の第一印象は顔で決まる。
昼でも夜でも、良さげな印象を抱かせてくれるお店は、大体当たりであることが多い。
なので僕は、ファサードにはかなり神経を使う。
今回は、ヨーロッパ的な雰囲気も持たせたかったので、
ガラスに意匠を施す
ペンダントで目をひく
色使いでしっとりと
というデザインを用いている。
なんだか入ってみたくなるお店ではないですか?
世界観を裏切らない
中に入ってきていただければそれでOKではない。
ファサードで抱いてもらった世界観を裏切らないことが非常に重要なのである。従って、感情の温度感を合わせた内装にするようデザインしている。
世界観を裏切らないために行ったことは、優しい色味と光の関係だ。
ファサードでは印象を与えるべく濃いめのグレイを使用しているが、中までそれではキツすぎる。なので、少し柔らかいグレイを採用。そして温かい感情を抱いてもらえるよう、プリントではない無垢材の質感を床と棚板に使用。さらに間接照明で柔らかい陽の光を感じるような演出を施している。
反対側のカウンターは、仕事をする場所。
表の通りを眺められうことで、他のお客様やスタッフさんとの目線を切り一人の世界にも入っていける工夫を。
さらに外に面して座ってもらうことで、開放的な感情を抱いてもらう。
・・・・・
でも、開放的すぎると人はまた落ち着かなくなるものだ。
そこで効いてくるのが、このガラスにつけた意匠である。
写真を撮りそこねたのは失敗だったが、このアイアンフレームの意匠があるのとないのでは落ち着き具合が全く違う。
なんということのないこの鉄の棒の意匠が、外は開放的なのだが自分は守られちるような安心感を作り出してくれる。
これでもう、女性一人で外を向いて仕事をしても大丈夫なのである。
※もちろんこの後、腰から下にはすりガラス調のシートを貼っているのでご安心くださいませ。
ね。
これで机の下も気にならないでしょ?
いい気分になる
大切な要素の一つに、自分がいい気分になるということがある。
こんなところに来てるのよ、エヘン。みたいな感情だ。
そのあたりは、デザインする人の感性勝負になるような気もしているが、僕はこんなふうにしてみている。
オープンキッチンのカウンタータレ壁部分は、大切な店舗の顔の1つだ。
ここにメニューでも良いが、お店が伝えたいメッセージとロゴを。そしてここでも淡い光の演出を施す。
さらに、トイレに向かう通路は、表からは見えないばかりか少々細長い。気持ちよく、異次元の世界へ旅立つ通路のような感情を持って欲しかった。
ちょっとだけ自分の髪型なんかもチェックしながら。
結構色々考えています
今回は少し長くなりましたが、色々と実は細かく考えてデザインするんだよというお話でした。
飲食店のデザインをさせてもらうと、試食をいただけたりするのは本当に嬉しいし、デザインの世界観を考えるのにすごく有効。
ではまた。
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