『五匹の子豚』
【 ネタバラシはありません 】
『五匹の子豚』
著者:アガサ・クリスティー
訳者:山本やよい
出版社:早川書房(クリスティー文庫)
発行年:2010年11月15日
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(内容紹介)
16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです――娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは? 過去の殺人をテーマにした代表作を最新訳で贈る!
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ポアロもの。「過去の殺人」をテーマにした代表作とのことです。すでに解決している事件を掘り返すのは、思った以上に難儀なことだと思います。何より当時の関係者の多くは嫌がるのではないでしょうか。特に司法関係者は。だが、しかし、ポアロだから「こそ」できた関係者めぐり。なので、本書は、ほぼほぼ関係者への聞き取り調査でお話が進みます。どう考えても……真相が覆りもなさそうでヤキモキしました。
そうは思いつつも、やはりポアロは違いました。関係者たちの証言を丁寧に解きほぐしていきます。彼が探り当てた真相を知ったとき、私はただただビックリしました。そして幕切れがお見事としか。
また、千街さんの解説も嬉しい。クリスティー通になるには、もっと作品を読まないとなあ……と思った次第です。