『「ぼっち」の歩き方 魅惑のデートスポット編』
『「ぼっち」の歩き方 魅惑のデートスポット編』
著者:朝井麻由美
出版社:PHP研究所
発行年:2016年4月1日
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確か本書は、「ぼっち」・「ソロ活」が気になった時期に購入した本です。昔々、便所飯が一瞬メディアで取り上げられて、それがネタになって……の時期があったなあと、うっすら思い出しました。私は学生時代から一人でカラオケに行ったり、社会人になってから一人で伊豆大島に行ったり神津島に行ったりスヌーピーミュージアムに行ったり……と、ぼっちに対する耐性は強い方だと思っていましたが、本書の著者である朝井さんの方が圧倒的にすごかったです。と言いますか、本書を読み終えた後に、パソコンで著者の名前を検索したら、ドラマ「ソロ活女子のススメ」の原案の方だという事実に少し驚いて、かなり納得してしまいました。
朝井さんの考える「ぼっち」(今の時代は「ソロ活」ですか)の定義は、〈”状態“のことではなく、”メンタリティー”や”ライフスタイル“を指す〉(p.26)ということです。〈他者への壁が高い、ぼっち的なメンタリティーを持つ人は、恋人がいようがいまいが、友達と一緒にいようがいまいが、ぼっちは一生ぼっちである、と私は思う〉(p.27)という箇所に、大きく頷いてしまいました。それそれ! と思いました。性別、年齢、未婚、既婚、関係ありません。数ある趣味のなかの、ひとつの活動です。「ぼっち」や「ソロ活」などが広がると、「少子化につながる!」「孤独死が増える!」と否定的に捉える方々がまだ一定数いるはずですが、ちょっとズレているなと思いました。……おっと熱が入ってしまった。それはさておき、ひとりでプリクラを撮ったり、ひとりでバーベキューしたり、ひとりで東京湾納涼船に乗ったり、ひとりで花火大会を開催したり、並外れた「ぼっち」活動をしていて、思わず平伏しました。私が一番好きな話は、〈カップルのためのペアリングだけれど、自分に「ひとりペアリング」をプレゼントしてみた〉です。これが一番ぼっちが過ぎるなと思いました。少し笑って少し悲哀を感じました。