『のぼうの城』

『のぼうの城』上・下巻

著者:和田竜

出版社:小学館(小学館文庫)

発行年:2010年10月11日

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 2007年12月に刊行された単行本が文庫化されたものです。2011年に映画化もされています。会社の先輩がお薦めしていたので、5年くらい前に一回読みました。面白かった記憶があるので、今回もう一度手に取りました。いやー、やはり面白かったです。あっという間に読み終えてしまいました。史実とエンタメのバランスが絶妙です。それに、〈忍城500の精鋭が、三成2万の大軍を迎え撃つ!〉という無茶苦茶な展開に、思わず血がたぎりました。また、つかみどころのない「のぼう様」(でくのぼうを縮めた呼び名)が何と魅力的に見えることか。周囲の人々や敵側の視点で語られるのですが、のぼう様が何者か結局捉えることができませんでした……。見たまんまで良いのか、はたまた深読みしないといけないのか。ただ、周囲を巻き込む器量にあふれている描写がたくさんあるので、これもまた一つのリーダー像だよなあ、と考えました。

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